3月11日の東日本大震災による被災地の復興支援を目的として開催されている、「チャリティーコンサートatカワイ表参道」。多くのピアニストがこのコンサートの趣旨に賛同してくださり、実現することとなりました。本日は第3回目です。補助席が出るほどの超満員の中、五味田恵理子さん、稲田潤子さん、深沢亮子さんと、各世代を代表する3名のピアニストが出演、それぞれが得意とするレパートリーを聴かせて下さいました。
まずは五味田さん。現在、藝大大学院修士課程に在学中、気鋭の若手ピアニストです。若く瑞々しい感性で、チャイコフスキーの《瞑想曲》作品72−5、ショパンの《バラード第1番》作品23、《スケルツォ第2番》作品31の3曲を披露して下さいました。
続いて、今まさに心身共に充実し、活発に活動しておられる稲田さんが登場、セヴラックの《水の精と慎みのない牧神》とラフマニノフの《ヴォカリース》作品34−14(リチャードソン編)と《幻想的小品集》作品3より「鐘」と「道化役者」を演奏。高度なテクニックと豊かな表現力は流石です。
最後はベテランを代表するピアニスト、深沢さんです。助川敏弥さんの《ちいさき
いのちのために》と、モーツァルトの《ソナタ
第10番》ハ長調の2曲を演奏して下さいました。深沢さん特有の美しいタッチで純粋で美しい音色を響かせ、朗々と歌い上げる素敵な演奏でした。
同じピアノでも、演奏者が創り出す世界は異なるものです。今回は3人のピアニストによる、様々な音の世界を楽しめた演奏会でした。引き続き「パウゼ」では、チャリティーコンサートが開催されます。各回とも大変充実した内容になっておりますので、是非チェックしてみてください!
(M.S.)