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東日本大震災復興支援

チャリティーコンサート at カワイ表参道

開催レポート

4月23日(土)時間:12:00〜13:30
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

遠藤郁子
撮影:西沢宏之

伊藤めぐみ

須関裕子

  

 3月11日に起こった東日本大震災による被災地への一日も早い復興を祈念して開催されている『東日本大震災復興支援チャリティーコンサートatカワイ表参道』。第2回目となる今回は、須関裕子さん、伊藤めぐみさん、遠藤郁子さんによる演奏で、チケットは前売りの段階で既に完売になるほど、非常に多くのお客様がいらしていました。

 最初は、須関裕子さんによる演奏です。須関さんは2001年に第2回チェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクールで第1位を獲得されており、一昨年、桐朋学園音楽大学研究科を首席で修了され、現在はソロ活動だけでなくアンサンブル奏者としても活発にご活躍されている傍ら、桐朋女子高等学校及び同大学で教鞭をとられています。この日演奏されたのは3曲で、1曲目のチャイコフスキー≪ドゥムカ ハ短調 作品 59≫では、冒頭の部分は哀愁を帯びた曲想をバラライカの伴奏に合わせ朗々と歌うような演奏を、中間の活発になる部分は、次々と場面が変わるように楽想が変化していきますが、それらの性格が巧みに表現されていただけでなく、情熱的で華やかに演奏して下さいました。続くリストの≪愛の夢 第3番≫では、温かく伸びやかな演奏で、甘くロマンティックな世界が醸し出されていました。そして、ショパン≪ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53「英雄」≫では、勇壮で、なおかつ躍動感に溢れていただけでなく、優美さも兼ね備えた演奏を聴かせて下さいました。

 続いて演奏されたのは、東京芸術大学及びポーランド国立ワルシャワ・ショパン音楽院を卒業され、現在、国内外で幅広くご活躍されている伊藤めぐみさんです。この日は、オールショパンプログラムで、解説を交えながら演奏して下さいました。最初は、ショパンが20歳のときに作曲した≪ノクターン遺作 嬰ハ短調≫で、細部にまでコントロールの行き届いた繊細なタッチで、若きショパン切なさや心の痛みなどが伝わってくるような演奏を聴かせて下さいました。続いては、同じくショパンが若いころの作品≪幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66≫と後期に作曲された≪即興曲 第3番 変ト長調 作品51≫です。前者は、若々しく、勢いがあり輝かしい演奏を、後者は、洗練された温かみのある演奏を聴かせて下さり、ショパンの生涯の過程を感じさせられる興味深いものでした。最後は、晩年に作曲された≪舟歌 嬰ヘ長調 作品60≫です。波の上にゴンドラを漕いでいる情景を彷彿とさせるような、丁寧でとても味わい深い演奏は印象的でした。

 最後は、演奏やCD を通じて、多くの方々に生きる力をもたらした「奇跡のピアニスト」としても知られ、社会的ボランティア活動にも尽力を注がれている遠藤郁子さんの演奏です。1曲目に「亡くなった方々へ哀悼の意をこめて捧げたい」と演奏されたベートーヴェンの≪ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」≫では、しっとりと鐘のように静かに響き渡った第1楽章、優しく、束の間の安らぎが感じられた第2楽章、そして、絶望から、再生へ向けて行く力が感じられた第3楽章と、心に沁みわたり非常に深い感動を与えてくださるものでした。次に、「神様がそばにいてくださっている」との思いを込めショパンの≪幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61≫が演奏されました。慈愛満ち、また、希望や前進していく勇気を与えてくださるような演奏は圧巻でした。

 最後に客席から、3人の方々に盛大な拍手が送られ、華やかに締めくくられました。私たちに勇気と希望を与えてくださる、とても素晴らしいコンサートでした。

(K.S)

 

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