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荒巻美沙子(Vn.)&清田千絵(Pf.)デュオリサイタル 開催レポート
《東京藝術大学同声会コンサートシリーズ Vol.15》
2011年
12月20日(火) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 本日の演奏会は荒巻美沙子さん(ヴァイオリン)と清田千絵さん(ピアノ)によるデュオ・リサイタルです。今夜もカワイ表参道コンサート・サロン「パウゼ」にはたくさんのお客様にお集り頂きました。

  プログラムの一曲目はシューベルト《ピアノとヴァイオリンのためのソナチネ 第2番 イ短調》D. 385。シューベルトの作品のシンプルな美しさを丁寧に紡いでいく演奏で、落ち着いて聴くことができました。とくに4楽章では滔々と自己の内面を吐露するような旋律が滞ることなく先へ先へと繋がっていくので、聴いていて心地よかったです。

  続いて、ブラームス《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ト長調》「雨の庭」Op. 78が演奏されました。荒巻さんの解説によると、第3楽章にブラームスの歌曲《雨の歌》の旋律が引用されていることから、この作品には「雨の庭」というニックネームがついているそうです。演奏からはブラームス独特の厚みのある音楽に込められた熱い芯のようなものが感じられました。ブラームスの作品を生で聴いた後の充足感は何ものにも代え難いです。

  最後のプログラムは、フランク《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調》。プログラム・ノートには清田さんが「曲全体を通して、起承転結のまとまりや、喜怒哀楽、大切な人と共に歩む物語性を感じる」というコメントを寄せてくださっています。なるほど、この曲には波乱に満ちた人間の激情があれば、桃源郷に漂う安らかで自由な空気も感じられます。「喜怒哀楽」の展開に、手に汗握る思いで聞き入りました。

  アンコールにはドヴォルザーク=クライスラー《わが母の教え給いし歌》とクライスラー《シンコペーション》を弾いてくださいました。演奏が終わると、舞台上にケーキが登場…なんと今日は清田さんのお誕生日です!荒巻さんの奏でるバースデー・ソングに合わせてお客様も一緒に歌い、お祝いすることができました。

(A. N.)