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日本ショパン協会 第257回例会
倉澤杏菜ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.14》
2011年
12月10日(土) 18:30開演( 18:00開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 フレッシュなピアニストをご紹介する、日本ショパン協会『パウゼシリーズ』の第14回は、ドイツに留学して6年目となる倉澤杏菜さんのリサイタルです。

 まばゆいイルミネーションに彩られた、12月の夜の表参道。会場の客席後部の、壁一面のガラス窓から見える無数の白い電球は銀河のようで、心躍らせて聴くピアノの調べは格別でした。

 倉澤さんは現在、国立ハンスアイスラー音楽大学ベルリンの、大学院国家演奏家資格課程に在学中。国内外のコンクールで数々の受賞歴をもち、ドイツを中心に幅広い演奏活動を行っています。

 「自分が感じる一つ一つの感覚、感情を大切にし、すべての音と向き合いながら、日々精進してゆきたい」という倉澤さん。今回のプログラムは「人生の断片を映し出しているかのような作品」で構成したといいます。

 冒頭は、シューマンの『子供の情景』。柔らかなまなざしに満ちた演奏は、端正な水彩画のようでした。

 次は屈指の大作、ショパンの『ピアノ・ソナタ第2番“葬送”』。緊張感とスケールの大きさに圧倒されました。

 プログラム後半、最初の曲は、佐藤敏直さんの『ピアノ淡彩画帖より、“八月の鎮魂” “片足で立つ鳥居”』。原爆をモチーフにした作品で、繰り返されるミステリアスなフレーズは、永遠の時を刻むかのようでした。

 続いて、ワーグナー作曲リスト編曲の『イゾルデの愛の死』。楽劇『トリスタンとイゾルデ』のクライマックスで、死にゆくイゾルデが歌う愛の歌です。ドラマチックな、心揺さぶる演奏でした。

 最後は、ブラームスの集大成ともいえる『4つの小品・作品119』です。 “間奏曲”第1曲のノスタルジックな歌心、第2曲の焦燥感、第3曲の遊び心、そして第4曲 “狂詩曲”の威風堂々たるさま。心に深く染みわたりました。

 アンコールは、クリスマスらしくバッハの『主よ人の望みの喜びよ』と、締めはショパンの『革命のエチュード』。圧巻の演奏に、会場は大きな拍手に包まれました。

H.A

 

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