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KMAP
中井正子公開講座 開催レポート
〜ピアノテクニックシリーズ Part2(全5回シリーズ)〜
第5回 連弾をたのしもう!
2012年3月28日(水) 10:30 開演(10:30〜12:30)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
3月28日(水)、中井正子先生による公開講座「ピアノテクニックシリーズ Part 2」の第5回目“連弾をたのしもう!”に行ってきました。今日の曲目は、フォーレ《組曲「ドリー」》とドビュッシー《小組曲》。本日も朝早くから、大勢の受講者の方にお集まりいただきました。具体的に曲に入る前に、まず楽譜についてのお話がありました。本日の講義では使用楽譜として、『ピアノ連弾名曲選/フランスの小品』(音楽之友社)が指定されていたのですが、というのも先生によると、この楽譜には2つの優れた点があるとのこと。1点目は、各曲に対する曲目解説はもちろん、「連弾の目的」「連弾の起こり」などについても知ることのできる、非常に有益な解説がついていること。そしてもう1点は、たいていの連弾譜は見開きの右側ページにprimo、左側ページにsecondoが書かれていますが、上記の楽譜ではprimoの下にsecondoが書かれているため、自分のパートだけでなく、音楽全体を把握することができることです。
さて、今日は模範演奏として、15歳と16歳の2人の女の子がゲスト出演してくださいました。先生のお話の中には、連弾をする際のポイントが大きく3つあったように思います。
まずは、“相手の音をよく聞き、自分のパートの役割を把握すること”。先ほども楽譜のところで少し触れましたが、連弾は相手と自分のパートの両方があって1つの音楽作品になります。だからこそ、「自分の音よりも相手の音を聞かなければならない」と先生は強調されていました。例えば、フォーレ《組曲「ドリー」》の第1曲〈子守唄 Berceuse〉第59小節目では、メロディーが初めてsecondoに登場します。ここでは、secondoはもちろんメロディーであることを意識し、primoはsecondoをよく聞いて、自分の音量バランスを決めなければなりません。このように、primoとsecondoの役割が入れ替わるところは特に注意が必要です。
そして2つ目のポイントは、“テンポの切り替え、調性の変化を意識すること”。ここで大事なのは、“呼吸”です。ソロでも呼吸は大切ですが、2人の時はより必要になります。そのためには、まず自分の中でテンポをしっかり確立させておきましょう。最後に3つ目は、今日の講座のタイトルにもあるように、以上の2点のポイントをふまえて“楽しみながら弾くこと”。たいていの連弾曲は、ソロよりも簡単に弾けるように書かれており、楽しんで弾くことも連弾の醍醐味の1つです。
今日で中井先生の今回の講座シリーズは終了ですが、皆様になんと嬉しいお知らせが!!
来月5月から、中井正子先生の演奏&レクチャー「中井正子 ドビュッシー紀行〜ドビュッシーの音楽を背景に中井正子とパリの街を歩く!」が新たに行われます(全5回)。中井先生のお話は非常に実践的で、為になることばかりです。リピーターの方も初めての方も、ぜひ足をお運びください!
中井先生、今後の講座も楽しみにしております。
(A・H)
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