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中井正子公開講座 開催レポート
〜ピアノテクニックシリーズ Part2(全5回シリーズ)〜
第4回 ラヴェル ソナチネ、亡き王女のためのパヴァーヌとその他小品
2012年2月22日(水) 10:30 開演(10:30〜12:30)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 昨年11月より開催されております中井正子先生の公開講座シリーズ、第4回目の今日はラヴェルの≪ソナチネ≫≪亡き王女のためのパヴァーヌ≫≪水の戯れ≫が採り上げられました。ラヴェルのレパートリーはとても人気がありますが、美しく演奏するには適格な表現手段の選択が欠かせません。先生はとりわけ、ペダルの処理、ハーモニーの捉え方、テンポや強弱の組み立て方に焦点を当てながら、講座を進められました。

 講座のメインとなったラヴェルのソナチネで、先生は声部間のバランスを整えることや、曲の流れを丁寧に作り上げることを強調されました。このソナチネは、非常に古典的な構成でありながら、敢えて導音(楽曲の調を決定したり、旋律の方向性を決める重要な音)が回避されていたり、和声の法則での禁じ手が使われていることによって、響きの面白さが出ています。また、1楽章で登場した主題が2楽章・3楽章でも浮かび上がったり、音色が次々と変わっているにも関わらずベースにはずっと同じ音型が敷かれていたりと、よく耳を澄ませればわかるような仕掛けがたくさん施されています。それらの響きや仕掛けを聴き手に楽しんでもらうためには、各声部のバランスに気を付け、楽曲の構造を立体的に表現してゆくことが必要です。例えばペダリングについては、右ペダルを完全に上げ切らずに踏みかえることで、和声の基盤となっている長い音を消すことなく響きのよさを保つことが出来ます。テンポや強弱については、雰囲気で演奏してしまうのではなく、楽譜をよく読み込んで段階を考えることによって、聴き手に心地よい音楽の流れが生まれます。

 次の≪亡き王女のパヴァーヌ≫に関しては、作曲者自身による管弦楽版もあるということで、先生は「ピッツィカートのような音」「ハープのような音」といった、オーケストラの用語を使いながら丁寧に楽曲解説をされました。先生が模範で弾いてくださった演奏も、様々な楽器の音色が聴こえてくるような、とても表情豊かなものでした。≪水の戯れ≫は技術的に困難な音型がたくさん登場する楽曲ということで、曲想だけではなく家での練習方法についてのお話もありました。 最後に先生は、ラヴェルが他の作曲家のパロディとして書いた小品を幾つか紹介され、ラヴェルの世界の面白さを説明されました。2時間ちょっとという短い時間ではありましたが、ラヴェルのピアノ曲についてとても多くのことを学べた講座でした。

(A. T. )

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