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中井正子公開講座 開催レポート
〜ピアノテクニックシリーズ Part2(全5回シリーズ)〜
第3回 ドビュッシー 子供も大人も楽しめる小品を中心に
2012年1月30日(月) 10:30 開演(10:30〜12:30)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 真冬の寒さもまっただ中の1月30日、中井正子さんの人気の公開講座が開催されました。今回は、今年生誕150年を迎えたドビュッシーの作品のうち、大人も子供も楽しめる小品をセレクト。ピアノ演奏研究家が、中井さんが校訂した「ドビュッシー・ピアノ作品全集」を片手に「パウゼ」に集まりました。

 素材となったのは、どれも5分程度の長さで取りかかりやすいだけでなく、内容豊かで演奏の基本を学べるもの5点です。まず〈夢〉では、譜面の音の並びは単純ですが、音の微妙な変化に敏感になることが強調されました。右手でメロディをはっきりと弾く一方で、左手ではハーフタッチ(11月28日に行われた第1回のレポートを参照)で、気持ちをこめすぎずに奏します。微妙な音の響きを作るために、ペダルを使いすぎないこと、会場や弾くピアノのことを考えると、より繊細な音作りができるでしょう。

 〈ロマンティックなワルツ〉と〈ゆっくりなワルツ〉で共通する注意点は、3拍子感を忘れないことです。前者ではテンポの変化、後者ではヘミオラ(ここでは3拍子2つ分が一時的に2拍子3つ分になること)があるにせよ、ワルツの踊りのリズムの中でするのです。そのバランスの取り方はセンスにかかっているように思うのですが、では中井さんのようなセンスを持つにはどうしたらよいのか・・・一生がかりの課題ですね。

 〈ゴリウォーグのケーク・ウォーク〉と〈小さな黒人〉では、リズムを正確に、あるいは強調するのがポイントです。前者では変わったリズムだけでなく、バンジョーやトロンボーンの音色を模したり、ヴァーグナーの深刻な旋律を挿入して皮肉ったり。ユーモアに富み「クラシック」ぽくないところも、弾く楽しさが増します。指の慰めにもいい曲です。

 最後には、ピアノ曲のオーケストラ版のCDを聴かせてくださり、ドビュッシーの音楽世界の広がりを実感しました。この一年はドビュッシーを意識してすごすことになりそうです。

 (T.)

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