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中井正子公開講座 開催レポート
〜ピアノテクニックシリーズ Part2(全5回シリーズ)〜
第2回 ドビュッシー ベルガマスク組曲を中心に
2011年11月28日(月) 10:30 開演(10:30〜12:30)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 毎度受講生の皆様からご好評を頂いている、ピアニスト・中井正子先生の公開講座。今回の曲目は、来年生誕150周年を迎えるドビュッシーの初期作品、《2つのアラベスク》と《ベルガマスク組曲》です。パリの音楽サロンとの関係、「アラベスク」という言葉の意味など作品自体にまつわるお話に加え、演奏や指導にすぐ役に立ちそうなテクニックや解釈のポイントを、流麗な実演を交えながら一つ一つ丁寧に解説してくださいました。

 今回、ドビュッシー作品の演奏における重要なテクニックとして、中井先生が特に詳しくご説明くださったのは、ピアノのタッチとペダルの問題です。

 グランド・ピアノの鍵盤をゆっくり押し下げていくと、鍵盤の中ほどで「かくっ」と引っかかりを感じる部分があります。打鍵のときに鍵盤の底まで押すのではなく、この引っかかりの上部で弾くのが「ハーフ・タッチ」だとのこと。ハーフ・タッチを使うと効果的な例として、ここでは、《アラベスク第1番》の流れるようなアルペジオのパッセージが取り上げられました。比較のために、先生はまず底まで打鍵する通常のタッチで演奏。続いて、ハーフ・タッチで演奏されると、驚くほどふんわりとした「夢のような」(中井先生)響きが生まれました。

 もう一つの大切な技術は、「ハーフ・ペダル」です。ペダルを単純にオン・オフで切り替えるのではなく、音を良く聴きながら少しずつ「中で」踏みかえていくというこのテクニックは、たとえば、バスの響きは残したいがハーモニーの濁りは取り除きたい、というときにぴったり。ドビュッシーの場合に限らず、ぜひマスターしておきたいですね。

 このほかにも、テンポ・ルバートの扱い、強弱やアーティキュレーションの細やかな「ちがい」を生み出す工夫など、ドビュッシーにふさわしい「スタイル」を実現するための実践的なアドバイスが盛りだくさん。すべてをご紹介できないのが残念ですが、フランス音楽のスペシャリストでいらっしゃる中井先生ならではの説得力あふれる解説にすっかり引き込まれ、筆者も早速弾いてみたくなりました。

 中井先生のピアノテクニックシリーズ、次回1月30日(月) も引き続きドビュッシーの作品を取り上げます。どうぞお楽しみに!

(N.J.)

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