トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2011年-2012年 > 中井正子公開講座(全5回シリーズ) > 第1回開催レポート

KMAP
中井正子公開講座 開催レポート
〜ピアノテクニックシリーズ Part2(全5回シリーズ)〜
第1回 ショパンとリストのエチュード入門
2011年11月28日(月) 10:30 開演(10:30〜12:30)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 毎回好評を博しています、パウゼの公開講座。なかでもピアニスト中井正子さんによるレクチャーは、演奏上の具体的なお話が聞けるとあって、毎回たくさんの方々が集まっています。ピアノ演奏の基礎となるテクニックを中心に取り扱った前回のシリーズに続き、今回あたらしく始まったPart2では、ロマン派の小曲を弾くにあたって必要なテクニックを実演を交えて解説してくださいます。

 第1回の今回は、ショパンとリストのエチュード入門です。扱ったのは、ショパンのエチュード《別れの曲》、《革命》、《エオリアンハープ》、リストの演奏会用練習曲《ため息》の4曲です。まず《別れの曲》では、旋律の歌い方についてお話がありました。美しい旋律ほど極力レガートしながら歌うことが大事です。曲中で旋律を歌うときに注意したいのは、歌うフレーズの前でとまってしまうこと。そうではなく、そこへ入ってしまって、そこで歌うのです。アーティキュレイションがなくならないことが大事なのです。また、この曲では、二音をもったまま速く動くパッセージをよく練習しましょう。よく見ると、3度、4度、6度、7度と徐々に音程が広がっていますから、音程を意識して弾くと自分の手のどの指が弱いか、支えはきちんとあるか、といったことに気づかされます。《革命》のような正確な分散和音の刻みが求められる曲では、弱い指や、支えられていない指を長く保つために、その指を長く延ばすリズムで練習することが効果的です。《エオリアンハープ》はタッチを意識するのに良い練習曲です。立体的な響きにするために、外声の出すべき音以外はハーフタッチを使っていきます。ハーフタッチとは、楽器の構造上グランドピアノでのみ可能なのですが、アクション機構の二段階に分かれている部分のうち、上部のみを使うことです。知らずにそう弾いていることもありますが、技術として知っていると、他の曲で応用することができそうです。《ため息》は手の交差や同音の反復など、課題はたくさんありますが、調が移り変わる以外では、旋律は同一素材から成っています。ですから調の変化にかかわらず、常にテクニックの上で問題がないか気にしながら弾くのも上達のコツかもしれません。

 ここでレクチャーの全てをレポートすることはできませんから、ぜひともパウゼまでお運びいただき、自らの目と耳でレクチャーに参加していただきたく思います。そこで得た新しい発見を自分で試してみると、レベルアップにつながることでしょう。 

 (T.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2011年-2012年 > 中井正子公開講座(全5回シリーズ) > 第1回開催レポート