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KMAP
ピアノレパートリー 講座 Vol.4 開催レポート
「やさしい近現代フランスのピアノ作品」
2011年11月18日(金) 開場10:00 開講 10:30 (10:30〜12:30)
講師:南雲竜太郎
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
ピアノ・レスナーの方々を中心に毎度ご好評をいただいている、南雲竜太郎先生のピアノレパートリー講座。今回のテーマは「やさしい近現代フランスのピアノ作品」です。まずは、日本人にとって比較的親しみ深いとされるドイツ音楽と対比させながら、フランス音楽の全般的な特徴や、教材として有益な点、フランスの文化や言語との関連などについてお話しくださいました。ドイツとは一味違ったフランス独特の情緒があらわれる例として、ラモー、クープランなどフランス・バロックのクラヴサン音楽の実演による曲名当てクイズも行われました。
フランス音楽の全体的なイメージをつかんだ後は、いよいよ具体的なレパートリーの紹介に入ります。今回は『カイエ ドゥ ルモワンヌ 1、2 』(全音)、『フレッシュ プログラム 1B、2、4』 (カワイ出版)という子ども向けの曲集に収録されたものを中心に、30以上もの曲を難易度順に紹介してくださいました。
子ども用の教材というと、どうしても「わかりやすい」単純な音楽を想像しがちです。けれども、フランスの作曲家は「子ども向けの曲だからといって妥協しない」と南雲先生はおっしゃいます。実際に演奏をきいてみると、「なるほど!」と心底納得しました。南雲先生の選ばれた曲は、テクニック的にはお子さんの小さい手でカバーできるものでありながら、大人が弾く曲としても十分な音楽的内容をもつものばかりでした。音は少なくとも、はっとさせるようなハーモニーが随所にちりばめられ、タイトルや楽譜に添えられた詩からも、イメージが膨らみます。ただ楽しい・面白いばかりでなく奥深い繊細な情緒を感じさせる曲が多く、まるで素敵な絵本に出会った時のような、新鮮な驚きを覚えました。
曲の紹介ばかりでなく、指導者にとって悩みどころであるペダルの扱いなど、実践的な面にも触れながらの充実した講座でした。子どもたちの表現力を一段とアップさせてくれそうなフランスの小さな名曲の数々、ぜひ日々のレッスンに採り入れてみてはいかがでしょうか?
次回1月27日(金)の講座では、東欧のピアノ作品を中心にお話しくださる予定です。どうぞお楽しみに!
(N.J.)
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