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宮崎翔太 ピアノリサイタル 開催レポート
2011年11月15日(火) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 11月15日(火)、「宮崎翔太ピアノリサイタル」(カワイサロンコンサートin表参道No. 400記念)を聴きに行ってきました。本日のピアニストである宮崎翔太さんは現在、桐朋学園音楽学部ピアノ専攻4年生です。大学のご友人や先輩、後輩でしょうか、たくさんの方々が応援に駆けつけ、会場はとても温かい雰囲気でした。

 本日は前半にショパン、後半にスクリャービンというプログラム構成でした。ショパン(1810-1849)とスクリャービン(1872-1915)…。生きた時代や国、音楽のスタイルは異なりますが、宮崎さんはこの2人の作曲家に以前から特別に惹かれ、共通して真に「洗練」された美的センスを感じていらっしゃるそうです。

 まず、《前奏曲 嬰ハ短調》op. 45を演奏して下さいました。この曲は短いスパンで次々に移り変わっていく転調が特徴的ですが、これらの転調に宮崎さんの豊かな感受性が共鳴し、この後のプログラムを期待させる演奏でした。続いて、《ピアノソナタ 第2番》op. 35と《ポロネーズ 第6番》op. 53「英雄」。若さにみなぎったエネルギッシュな演奏であるばかりでなく、《ピアノソナタ》第3楽章中間部の宮崎さんの繊細で柔らかな音色からは、美しさに加えて、安らぎをも感じました。

 休憩後はスクリャービンです。まず、《2つの左手のための小品》op. 9。主に、親指でカンタービレな旋律を、残りの4本の指で伴奏を担当しますが、片手で弾いているとは思えないほどの各声部のバランスの良さは、実に見事でした。《2つの詩曲》op. 32と《2つの小品》op. 57で、属七の和音や属九の和音、またその変形(=「神秘和音」)がすでに多用され、《ピアノソナタ 第7番》op. 64「白ミサ」や《詩曲「焔に向かって」》op. 72では神秘主義的な傾向がさらに強まっていきます。後半は作曲年代順にプログラム構成されており、スクリャービンの響きや音楽スタイルの変遷を知ることができました。

 鳴りやまない拍手に応え、アンコールはなんと3曲も。演奏を終えてホッとしたからか、最後には笑顔も見られました。

 宮崎さんの今後のさらなるご発展をお祈りしています。

(A・H)

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