トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2011年 > Marunouchiなピアノ・カルテットvol.3 > 開催レポート

KSCO
Marunouchiなピアノ・カルテットvol.3 開催レポート
〜丸の内発のアンサンブルがお届けする、美しい室内楽の夕べ〜
2011年11月11日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 パウゼでの公演も今回で第3回を迎える、「Marunouchiなピアノ・カルテット」。その名の通り、丸ビル(東京・丸の内)でのコンサートを機に結成されたカルテット(四重奏団)とのことです。

 本日のコンサートの前半は、楽器紹介を兼ね、親しみやすいトークを交えながらピアノと各弦楽器とのデュオによる小品の演奏が行われました。選曲も凝っていて、《ロマンス》と題された作品だけで構成するという、なんとも粋な試み。

 最初は小池 彩織さんのヴァイオリンで、ヴュータンとフォーレの作品です。一口に「ロマンス」といっても、2曲の性格はかなり対照的で、ヴァイオリンの様々な表現を堪能することができました。

 つづいてヴィオラの高橋 梓さんによるブルッフの《ロマンス》。ヴィオラ特有の「人間の声のような」深みのある音色が印象に残る、素敵な音楽でした。

 前半の最後、チェロの石川 理史さんが演奏されたのは、フォーレの晩年の作品と、リストの《忘れられたロマンス》です。艶やかな低音と甘いメロディに、一気に引きこまれました。

 後半は今夜のメイン、フォーレの《ピアノ四重奏曲》。4人がステージに現れ、一段と引き締まった空気のなか、心の襞に寄りそうような繊細なハーモニーが奏でられました。室内楽とは音による「コミュニケーション」なのだということを心底納得させてくれる、密度の高いアンサンブルでした。

 全作品に関わっておられたピアノの石川 悠子さんは、どの曲でも共演者の呼吸の細部まで心を配りながら、大変丁寧に演奏されていました。中でも、そのまろやかなタッチと色彩感の豊かさは特筆すべきもの。決して主張しすぎず、しかし埋もれてしまうこともなく、常に他の楽器との見事な調和を保っている石川さんの演奏からは、まさにアンサンブル・ピアノの達人という印象を受けました。演奏自体の素晴らしさはもちろんのこと、プログラム構成や解説、衣装、ステージマナーに至るまで、本当に心をこめて吟味なさっていることが伝わってきました。

 秋の深まりゆく中、室内楽の美しい調べとともに心温まるひとときを過ごしました。

(N.J.)

 

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2011年 > Marunouchiなピアノ・カルテットvol.3 > 開催レポート