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久元祐子 ピアノ演奏法講座 開催レポート
『続々・一歩上を目指すピアノ演奏法』(全5回シリーズ)
第4回 
2012年2月13日(月) 10:30〜12:30
「モーツァルトのピアノ・ソナタ I 」
講師:久元祐子
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 久元祐子先生のピアノ演奏法講座、第4回・第5回のテーマはモーツァルトのピアノ・ソナタです。

 モーツァルトの音楽やその演奏法についてとりわけ造詣が深く、いわゆる歴史的楽器(フォルテピアノ)での演奏にも取り組まれている久元先生。豊かな演奏・指導経験と丹念な研究とに裏付けられたそのお話に、受講生の方々は熱心に耳を傾け、お手元の楽譜やノートにペンを走らせておられました。

 本日取り上げられたのは、モーツァルトのソナタのうちでも最も人気のあるものに数えられる、K.330とK.331(トルコ行進曲つき)の2曲です。いずれも、テクニックの面では一見平易な作品ですが、モーツァルトの音楽の特徴である「形式美」を引き立たせ、真に説得力のある演奏を行うのは至難の業とのこと。作品の背景等にも触れながら、それぞれの楽章の解釈のポイントや、学習者が陥りやすいテクニック上の問題を、実演を交えて丁寧に解説してくださいました。

 久元先生のアドヴァイスは、つねに明快な根拠や具体的な解決方法とセットになっており、すぐに実践に生かせそうなものばかり。モーツァルトにふさわしい軽やかなタッチやペダリングのコツなどはもちろん、「作品に取り組む時は、細部よりも大きな部分(形式、調構造など)から見ていくことが重要」、「和声の色の変化をよく感じて」、「フィンガリング(指づかい)はできるだけ単純に、自然に」など、ピアノ演奏の基礎として大切なことを一つ一つご指摘くださいます。その分かりやすさときめ細やかさには、まさに目からうろこが落ちる思いでした。また、こうした一連のお話を通して、先生のさりげなくも端正なご演奏が、どれほど網羅的かつ緻密な把握の上に成り立っているのかを垣間見たような気がしました。

 このほかにも、「トルコ行進曲」の「トルコ風」のイメージや、モーツァルトの時代の楽器についてなど、興味深いお話が盛りだくさん。すべてをここに書き記すことはできませんが、モーツァルト演奏への理解を深め、「一歩上を目指す」ための素晴らしいヒントがつまった、充実したレクチャーでした。

 次回3月8日(木)の講座では、やはり人気の高いK.332とK.333のソナタを取り上げてくださいます。こちらもとても楽しみです。

(N.J.)

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