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久元祐子 ピアノ演奏法講座 開催レポート
『続々・一歩上を目指すピアノ演奏法』(全5回シリーズ)
第1回 
2011年11月10日(木) 10:30〜12:30
「リストの小品」
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 今年で3年目となります、久元祐子先生によるピアノ演奏講座が幕開きとなりました。久元先生はピアノ演奏・執筆の双方において様々な功績を残していらっしゃいます。そんな久元先生の演奏方法を、先生自身の生演奏と共に学ぶことの出来る本講座は、これから巣立つ多くのピアニストにとって貴重な時間となるでしょう。

 今日第1回のテーマは、ピアニストには欠かせないレパートリーでありますリストの小品。有名な《愛の夢》第3番および《コンソレーション》第1番〜第3番を中心に、久元先生は丁寧に各曲のポイントを解説されました。楽曲中のちょっとした音の起伏や変化にも細やかに目を向ける先生の解説は非常に説得力のあるものでした。特に先生が留意されていたのは、以下のような点です。

・細かい楽想指示を注意深く見て、どこから音に緊張感を持たせ、どこでリラックスするかをよく考えること。

・和音のどの音に重みをかけるかよく検討し、ハーモニーの輝きと陰りを楽しむこと。

・ペダルを長めに残す勇気を持ち、音の余韻をよく感じること。

 先生の解説は非常に詳細にわたるものである一方で、決して特定の演奏解釈を押し付けるようなものではなく、これから楽曲を勉強するピアニストさん達に、あらゆる表現の可能性を開くようなものでした。また、刻一刻の音の響きを丹念に磨いた先生の模範演奏は非常に美しく、心が洗われるようでした。今日受講された皆様も、久元先生のように心温まる音色を目指して勉強したい、と思われたのではないでしょうか。次回以降の講座も大変楽しみです。

(A. T. )

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