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リストフェスティバル2011 in 表参道
イブニングコンサート 第4回 開催レポート
2011年10月27日(木)19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
主催:東京藝術大学音楽学部 協賛:カワイ音楽振興会
出演:有吉亮治 大島洋子 草 冬香 寺谷千枝子 吉田浩之 渡辺健二

 連日、非常に多くのお客様がいらしているリストフェスティバル2011も、早いもので、今回を含め、残すところあと4公演となりました。6日目 夜の公演は、シューベルト、シューマン、ショパンの歌曲をリストがピアノ用に編曲した作品と、リスト自身のオリジナル歌曲が、東京藝術大学音楽学部の6名先生方により演奏されるというものでした。

 前半は、草冬香先生と有吉亮治先生のピアノ独奏による、シューベルト、シューマン、ショパンの歌曲のピアノ用編曲作品の演奏です。

 草先生が演奏されたのは、シューベルトの歌曲《魔王》、《糸を紡ぐグレートヒェン》、《さすらい人》、《アヴェ・マリア》、《鱒》、《菩提樹》です。例えば《魔王》では、ピアノ1台で「父」、「子」、「魔王」「語り手」の4役を見事に演じられていたり、乙女の恋心を歌った《糸を紡ぐグレートヒェン》では、胸が締め付けられるような切なさを表現されるなど、実際に原曲の歌曲を聴いているような心地にさせられる演奏でした。

 続いては有吉先生で、演奏されたのは、シューマンの歌曲より《献呈》《春の夜》、ショパンの歌曲より《乙女の願い》《私のいとしい人》の4曲です。シューマンでは、ロマンティックな旋律を自然な息づかいで伸びやかに表現され、ショパンでは、ポーランドの民族的なリズムや、即興的で細かなパッセージが繊細に表現された美しい演奏を聴かせてくださいました。

 後半は、声楽のプログラムとなり、大島洋子先生(ソプラノ)、吉田浩之先生(テノール)、寺谷千枝子先生(メゾソプラノ)渡辺健二先生(ピアノ伴奏)による、リスト自身のオリジナル歌曲の数々が並んでいます。

 最初は大島先生で、今回歌われたのは《ペトラルカの3つのソネット》です。つややかな透き通った歌声で、歌詞や音楽の持つ情熱的で甘美な世界を表現して下さり、客席の皆様はその美しさにうっとりと聴き入っておられました。

 続いて、吉田先生が《「ウィリアム・テル」から3つのうた》、《君は花のような人》、《ラインの美しき流れのほとりで》の3曲を歌ってくださいました。スイスの自然や川の流れなどの情景描写など、音楽に込められている温かさなどといった要素が、美しい歌声で朗々と表現されていました。

 最後は寺谷先生で、《ローレライ》、《おお夢に来ませ》、《愛の夢》第3番〈あたう限り愛せ〉の3曲を歌ってくださいました。柔らかく深みのある歌声で、作品のもつドラマティックな背景を鮮明に表現されていました。

 そして、3人の先生の歌をしっかりと支えられていた渡辺先生のピアノ伴奏は、それぞれの歌声をひきたてつつも、作品の背景的な部分をしっかりと表現されていました。

 これらの作品を見事に演奏された6名の先生方に盛大な拍手が贈られ、華やかに締めくくられました。

 歌曲のピアノ編曲作品や、オリジナル歌曲を通じで、ピアノという楽器の持つ可能性を自在に操り、作品の物語や背景などを巧みに描き出すことができる「ピアノの魔術師リスト」の凄さを改めて実感させられたコンサートだったように思います。素晴らしい演奏をありがとうございました。

(K.S)

 

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