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リストフェスティバル2011 in 表参道
マチネコンサート 開催レポート
2011年10月22日(土)12:00開演(11:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
主催:東京藝術大学音楽学部 協賛:カワイ音楽振興会
出演:伊藤 恵 迫 昭嘉 佐野隆哉 白水芳枝 藤井隆史 山城浩一

 

 

 フランツ・リストの生誕200年を記念して、10月22日(←リストの誕生日!!)から開幕した“リストフェスティバル2011 in 表参道”。東京藝術大学音楽学部の先生方と学生による、演奏会、公開レッスン、公開講座と盛り沢山の内容になっています。フェスティバル2日目の今日は、『マチネ』と題し、リストが作曲・編曲を手掛けた2台ピアノ作品のコンサートでした。会場は満員御礼、追加で補助椅子を出すほどの大盛況ぶりでした。

 リスト(1811-1886)はほぼ全ジャンルにわたり、1000曲以上もの作品を残した多作の作曲家です。一生涯ピアノ曲を作曲しましたが、ここで注目すべきことは、リストが“編曲”を得意とし、自身のオーケストラ作品の多くをピアノ用に編曲し、また他の作曲家の歌曲や交響曲のピアノ用編曲やパラフレーズ(=オペラアリアなど既存の旋律に、自由な挿入句などを加えた技巧的な楽曲)を多く残したということです。この点で、本日のような2台ピアノ用編曲作品ばかりで構成された演奏会が催されたことはとても嬉しいことです。

 本日のプログラムは次の通りでした。

・リスト《前奏曲》

      東京藝術大学音楽学部非常勤講師:山城浩一、佐野隆哉

・リスト《悲愴協奏曲》

      東京藝術大学音楽学部非常勤講師:藤井隆史、卒業生:白水芳枝

・ベートーヴェン《交響曲第9番》(リストによる2台ピアノ用編曲)

      東京藝術大学音楽学部教授:伊藤恵、迫昭嘉

 《前奏曲》は1854年にリスト自身によって作曲された交響詩(=管弦楽の標題音楽を指し、19世紀後半から20世紀初めに盛んだったジャンル。楽曲の形式は自由だが、原則として単一楽章構成で切れ目なく演奏される)で、「人間の生は死への前奏曲である」(フランスの詩人ラマルティーヌの詩)という考えに基づいて作曲されました。ピアノ2台でありながらオーケストラの音色を感じさせる、山城さんと佐野さんの音色作りは聴き手の耳を存分に楽しませてくださいました。

 続いて、藤井さんと白水さんによって《悲愴協奏曲》が演奏されました。クライマックスに向かってテーマが様々に展開されていく様は、まるで人間の一生を描いているかのようで、お二方の息のぴったり合った演奏からは壮大なドラマが感じられました。

 休憩をはさんで、いよいよベートーヴェン《交響曲第9番》。約1時間にも及ぶ大曲ですが、構成力のある筋の通った演奏でした。さらに一体感の中にも、2台のピアノがかけ合う箇所では、伊藤さんと迫さんそれぞれの個性が顔を出す瞬間があり、2台ピアノ作品ならではの楽しみを味わうことができました。

 “リストフェスティバル2011 in 表参道”は、28日(金)まで開催されます。今後のプログラムもご覧になってみてはいかがでしょうか。

(A・H)

 

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