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リストフェスティバル2011 in 表参道
オープニングコンサート 開催レポート
2011年10月22日(土)12:00開演(11:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
主催:東京藝術大学音楽学部 協賛:カワイ音楽振興会
出演:岡本愛子 北川曉子 菅 英三子 菊地裕介 多田羅迪夫 安田里沙 渡辺健二

 フランツ・リストの生誕200周年を記念して、今日から一週間、「リストフェスティバル 2011 in 表参道」が開催されます。主催は東京藝術大学音楽学部。開会に先立ち、渡辺健二副学長の挨拶に続き、ハンガリー大使館より文化担当官アンドレア・カールマーンさんの祝辞を戴いた後、藝大で教鞭を執る先生方の演奏が始まりました。本日のプログラムには、オープニング・コンサートとしてリストの多様性の一端をお聴き頂けるように、有名なピアノ作品やオペラ・パラフレーズ、リスト自身による声楽作品が取り上げられています。

 《ノルマの回想》を演奏して下さったのは、安田里沙先生。この作品は、ベッリーニのオペラ《ノルマ》をパラフレーズしたものです。リストは他の作曲家の作品を多くピアノ用に編曲することで、ピアノの可能性を広げると共に、他の作曲家を紹介することにも貢献しました。オペラ《ノルマ》の壮大なストーリーが凝縮された作品をドラマティックな演奏で聴いて、まさにいいとこ取りをした気分になりました。

 《愛の夢―3つのノクターン》は、第1, 2曲ではウーラントの詩に基づいて、この世の生を終えたものを天国へと迎え入れる「神の愛」が、第3曲ではフライリヒラートの詩による「人間の愛」が歌われています。岡本愛子先生のあたたかく繊細な音楽が愛のかたちを夢想的に浮かび上がらせました。

 菊池裕介先生は《メフィスト・ワルツ 第1番》を弾いて下さいました。プログラムノートには、長年親しんでいるレパートリーですが、テンポ設定などにおいて旧習を振り払い、改めて楽譜を読み解くことを目指したい、とコメントを寄せて下さっています。なるほど、と思わせる説得力のある音楽にブラヴォーの声が!リストの楽譜の上で菊池先生が仕掛けた音楽に心が弾みました。

 

 休憩をはさみ、声楽曲のプログラムにうつります。《喜びに満ち、悲しみに満ち》《トゥーレに一人の王がいた》を歌って下さったのは、菅英三子先生。どちらの詩もゲーテが作詞したもので、多くの作曲家が曲を付けています。先生の深みのある歌声が紡ぎ出す音楽にうっとりと聞き惚れてしまいました。多田羅迪夫先生は、《三人のジプシー》《それはきっと素晴らしいこと》を歌って下さいました。子音の美しさはもとより、音楽と詩に込められたイメージを体現するような歌に引き込まれていきます。四曲ともに渡辺先生の丁寧で確実なピアノ伴奏が音楽全体を支えていました。

 ラストを飾って下さったのは、北川暁子先生です。曲目は有名な《ハンガリー狂詩曲 第2番》。先生の力強い演奏にお客様も圧倒されていたように思います。

 今日だけでもリストの作品をたくさん聴くことができましたが、リストフェスティバルはまだまだ始まったばかりです。これからの一週間が楽しみになりました。

(A. N.)

 

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