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今田 篤 ピアノリサイタル 開催レポート
《2010年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ 》
2011年10月13日(木) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 去る10月13日、カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」で今田篤さんのピアノリサイタルがありました。今田さんはこれまでに国内外のコンクールで入賞し、昨年の第79回日本音楽コンクールでは第2位を取った若手ピアニストです。開演前にはたくさんのピアノ科学生でにぎわっていました。

 まず始めにハイドンのソナタ第60番ハ長調の演奏です。一点の曇りもない明るく澄んだ響きと、軽やかで風が吹くような流れのよさを楽しめました。緩徐楽章ではメロディを大事に歌う場面が印象的でした。

 次はシューベルトの〈3つのピアノ曲〉(D. 946)です。第1曲は短調と長調の入れ替わりが独特の混沌とした感情をかき立てますが、今田さんの演奏では長調の部分が短調との対比というよりは、短調のさらに向こう側の響きというか、ある諦めを感じさせるしっとりとした音色が鳴っていて、その深みに思わず聴き入りました。

 スクリャービンのピアノソナタ第10番では曲調ががらりと変わって、抽象的なイメージを聴き手の心に直接訴えていきます。プログラム・ノートで今田さん自身が言及していますが、スクリャービンなりの「光の輝き」を私も感じました。作品と奏者が一体化しているのがありありと伝わってくる演奏でした。

 最後の曲目は、今年がメモリアル・イヤーであるリストのピアノソナタロ短調です。ここまで、全て曲調の異なる作曲家の作品をそれぞれの持ち味豊かに演奏してきましたが、リストでも当然、曲頭からリストらしいドラマティックな雰囲気を展開していきました。大きく分けて3つの部分から成る構成を丁寧にまとめ、ピアノへの愛情あふれる演奏で客席を満足させました。

 アンコールにはアラビエフ=リスト〈うぐいす〉とプロコフィエフ《4つの小品》より〈悪魔的暗示〉を続けて演奏。技術と音楽性ともに確かな今田さんの今後が楽しみです。

(T.)

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