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後藤友香理 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.18》
2011年9月9日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 今宵のコンサートは「幻想曲」をテーマに、それぞれ違う時代を生きた4人の作曲家による幻想曲を楽しむというものでした。このユニークなプログラムを演奏されましたのは、若手のピアニストとしてご活躍中の後藤友香理さんです。出身大学ではシューマンのピアノ曲について博士論文を執筆し、熱心な研究を重ねてきたという後藤さん、演奏においても堅実な音楽創りをしていらっしゃいました。本日のプログラムでは、バッハ、ベートーヴェン、シューマン、スクリャービンと4人もの作曲家が登場いたしましたが、後藤さんは楽曲の構造を丁寧に読み解き、それぞれの作曲家の世界を見事に表現してゆきました。

 とりわけ後藤さんの緻密な音楽創りが活きたのは、バッハの《半音階的幻想曲とフーガ》ニ短調でした。「幻想曲」と「フーガ」という2種類の楽曲が合体して出来たこの作品、冒頭から高い技術と集中力を求められるパッセージが続きますが、後藤さんは明瞭なタッチで見事に弾きこなしました。そしてさらに素晴らしかったのが後半のフーガ部分。幾重にも絡み合った音の線を、後藤さんは丹念に色鉛筆でなぞってゆくように描き分けてゆきます。後藤さんによって美しく色付けされたフーガの音色は、とても1人で1つだけの楽器で演奏しているとは思えないほど、層の厚いものとなっていました。

 アンコールではお客様の温かい拍手を受け、後藤さんご自身がお得意とするシューマンの《アラベスク》を優しい表情で演奏していらっしゃいました。美しいピアノの音色に包まれ、まさに「幻想の夜」を楽しんだコンサートでした。

(A. T)

 

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