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河村晋吾 ピアノリサイタル 開催レポート
《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズVol.14》
2011年9月7日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 9月7日、表参道「パウゼ」で、『河村晋吾 ピアノリサイタル』(桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ vol. 14)が開催されました。会場には早くから大勢のお客様が詰めかけ、満員御礼。河村さんへの期待の高さが窺えました。

 本日のピアニストの河村晋吾さんは、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て、桐朋学園大学演奏学科ピアノ専攻を首席で卒業。2007年夏に渡仏、2009年にパリ国立地方音楽院を一等賞、審査員満場一致、最高位で卒業。現在はエコールノルマル音楽院に在籍中で、フランスと日本でソロリサイタルを多く開催するなど、活躍中の若手ピアニストです。

 さて、本日のプログラムはallフランス音楽。まず初めに、ラヴェルから1曲、《古風なメヌエット》を演奏されました。非常に古典的なABA形式にもかかわらず、響きは近代フランスという面白さに加え、河村さんの透明感のある音色で、お客様は1曲目からフランス音楽の世界に、そして河村さんの音楽世界に魅了されていました。

 次は、フォーレ《ヴァルス・キャプリス》第3番(op. 39)と第4番(op. 62)。強弱、テンポ、音色の変化の巧みな組み合わせによって、音楽の表情がコロコロと移り変わっていく様は、耳を充分に楽しませてくれました。これらの曲名(ヴァルス・キャプリス=気まぐれなワルツ)を、うまく表現されていたと思います。そして、プーランク《15の即興曲》より第7番と第8番、《ナポリ》の3曲を続けて演奏して下さいました。上品だけれど、かしこまり過ぎず、洒落っ気が感じられる演奏は、さすがでした。

 後半は、クラ《2つの風景》より第1番〈海の風景〉と第2番〈野の風景〉から始まりました。ジャン・クラという作曲家はブルターニュ地方出身の海軍の軍人兼作曲家で、日本でその名を聞くことはほぼありませんが、ブルターニュ地方では偉人として知られているそうです。こういった作曲家や曲を知ることができるのはとても嬉しいもので、フランス在住の河村さんならではの選曲だったと思います。その音楽は本当にその風景の中に立ち、時の流れや天気の変化が感じられるようでした。

 そして、ドビュッシー《映像》第2集、《前奏曲集》第2巻より第6番〈風変わりなラヴィーヌ将軍〉、第7番〈月光の降り注ぐテラス〉、第12番〈花火〉を聴かせて下さいました。ここでも河村さんの音色の美しさが存分に発揮されていました。特に《映像》での弱音が多様に重なり合う様は、まるで万華鏡を覗いているかのような美しさでした。

 演奏後、お客様の拍手に応え、アンコールとしてサティー《ピカデリー》を披露して下さいましたが、それでも拍手は鳴りやまず。お客様も河村さんの演奏に大満足のようでした。この日は表参道にも心地よい風が吹き、そのような中でフランス音楽をたっぷり楽しむことのできた贅沢な一夜でした。

(A・H)

 

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