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ピアノレパートリー 講座 〜北欧・ロシア編〜 Vol.3 開催レポート
「チャイコフスキー「四季」と知られざる珠玉の小品」
2011年7月29日(金) 開場10:00 開講 10:30 (10:30〜12:30)
講師:
南雲竜太郎
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 7月29日(金)、南雲竜太郎先生による『ピアノレパートリー講座〜北欧・ロシア編vol. 3〜 チャイコフスキー「四季」と知られざる珠玉の小品』に参加してきました。このシリーズで南雲先生は毎回、知っているようで実はピアノ作品があまり知られていない作曲家を扱って下さっています(第1回はグリーグ、第2回はシベリウス)。どんな作品に出会えるのか、とても楽しみに会場へ向かいました。

 まず、南雲先生はロシアという国の成立やヨーロッパの中での位置付けについて、簡単にお話して下さいました。ロシアという国は、9世紀にスウェーデン(北欧系)から渡ってきた人々によって築かれ、他ヨーロッパ諸国同様、ロシアでも最初、音楽の中心は教会であり、並行して農民たちの音楽も盛んだったそうです。17世紀頃になってようやく、ロシアにも西側(ドイツ、フランス)からの影響が入り込み、この頃から芸術的な音楽が生み出され始めたとのこと。この点で、西洋音楽において、ロシアは少し後進国という位置付けにあったようです。

 チャイコフスキーは作曲家でありながら、優れたピアニストでもあったのはよく知られた話です。しかし今日、そんなチャイコフスキーのピアノ曲はほとんど知られていません。どうしてなのでしょうか。南雲先生によれば、子どもでも弾ける中級程度の難易度であるにもかかわらず、どの曲も非常にナイーヴで繊細であり、高い叙情性が要求されるため、子どもには手に取りづらい作品になってしまっているからとのことでした。

 本日南雲先生が取り上げて下さった作品は以下の通りです。

  ・6つの小品op. 19より 1. 夕べの夢想 4. ノクターン 

  ・中級程度の12の小品op. 40より 2. 悲しい歌 6. 無言歌 10. ロシアの踊り 12. 途切れた夢

  ・6つの小品op. 51より 5. ロマンス 6. 悲しいワルツ

  ・四季―12の性格的描写op. 37bisより 
  1月「炉端で」 3月「ひばりの歌」 5月「白夜」 7月「刈り入れ人の歌」 12月「クリスマス」

 南雲先生はチャイコフスキーの生涯を追いながら、これらの曲をご紹介して下さいました。

 この他にも、チャイコフスキーはたくさんのピアノ曲を残しています。今回参加できなかった方はまず、上記の作品から、今回参加された方は上記以外の作品も、ぜひ楽譜を手に取ってみていただけると嬉しいです。

                                          (A・H)

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