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KSCO
秋田街子 ピアノリサイタル 開催レポート
2011年7月22日(金) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
7月22日パウゼにて秋田街子さんのピアノリサイタルが開催されました。秋田さんは桐朋学園大学を卒業後、同研究科を修了され、現在は日本各地で活発に演奏活動を行われる傍ら、後進の指導にも力を注がれています。会場は、幅広い年齢層のお客様で埋め尽くされ、秋田さんへの期待が伺われました。
白地にブルーの模様が涼しげなドレスで登場された秋田さんが最初に演奏されたのは、モーツァルト≪ピアノソナタ第4番 変ホ長調 K.282(189g)≫です。純粋で愛らしい曲想を柔らかく繊細なタッチで、伸びやかに表現されていました。
続いて演奏されたのは、シューマン≪交響的練習曲Op.13 ≫です。哀愁を帯びた主題が12通りに変奏され、1台のピアノでオーケストラのような華やかな響きが追及された作品ですが、各変奏の性格を巧みに弾き分けられ、かつ、実際にオーケストラ作品を聴いているような、多彩な音色が響き渡ったスケールの大きな演奏は流石でした。
休憩を挟み後半は、リスト≪巡礼の年 第2年「イタリア」S.161≫より、<ペトラルカのソネット>第47番、第104番、第123番と<ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲)>が演奏されました。
<ペトラルカのソネット>では、フランチェスコ・ペトラルカがラウラへの愛を歌った詩がもととなっているこの作品を、コントロールの行き届いた美しく可憐な音色と、息の長い自然な歌い回しで、作品の持つ甘く情熱的な雰囲気が表現されていました。
一方、<ダンテを読んで>では、先ほどと打って変わって、鐘が鳴り響くような冒頭から、次第に不気味さが増して行き、息を呑むような白熱した演奏を聴かせて下さいました。中でも、中間部の瞑想するような天上的な美しさは印象的でした。
これらのプログラムを見事に弾き終えた秋田さんに客席から盛大な拍手が贈られ、アンコールにドヴォルザーク≪ユーモレスク≫が優しく穏やかに演奏されました。
秋田さんの作品への真摯な姿勢と深い愛情が感じられた演奏に、お客様も大変満足され、会場を後にされていました。
(K.S)
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