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米津真浩 ピアノリサイタル 開催レポート
2011年7月14日(木) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
7月14日パウゼにて、米津真浩ピアノリサイタルが開催されました。米津さんは、東京音楽大学、同大学大学院を首席で修了され、これまでにも多くの演奏活動を展開していらっしゃいます。相変わらずのうだるような暑さの中、会場には超満員のお客様がいらっしゃっており、米津さんへの期待の高さがうかがえました。1曲目は、ショパン《幻想曲ヘ短調》作品49でした。はやくも、1音1音丁寧に置いていくような冒頭のユニゾンから、米津さん独自の世界が広がっていくのが感じられました。隅々まで徹底的に考え抜かれている演奏が、さすがでした。続いてもショパンの作品、《ノクターン 嬰ハ短調》遺作が演奏されました。ここで聴かれた旋律の美しさは格別で、やさしい雰囲気を伝えていました。ショパン《スケルツォ 第2番 変ロ長調》作品31では、とりわけ高い集中力で、激しい感情の波が表現されていました。前半の最後は、サン=サーンス/リスト(ホロヴィッツ編)《死の舞踏》です。圧倒的なテクニックで超絶技巧を弾きこなし、またこの曲の得も言われぬ不気味な情景を見事に描き出していました。
後半は、ラフマニノフ《コレルリの主題による変奏曲》作品42からはじまりました。古くからのとてもシンプルな主題から紡ぎだされる変奏。それらは、刻々と表情を変えていき、ラフマニノフらしい哀愁をはらんだ美しさと力強さが聴かれました。そして、最後はリスト《ダンテを読んで―ソナタ風幻想曲》。ここでも間の取り方が絶妙で、素晴らしい流れで音楽が運ばれて行きました。深みのある演奏に、会場中が引き込まれていました!
アンコールには、2曲、至極の美しさが光ったグルック=ユジャ・ワン《精霊の踊り》と、超絶技巧で鍵盤を駆け巡るモーツァルト=ヴォロドス《トルコ行進曲》を聴かせてくださいました。
音楽への真摯な取り組みで、聴き手の心をつかんだ米津さん。今後もますますご活躍されることでしょう。
(M.K.)
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