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入川 舜・多賀谷祐輔 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.17》
2011年7月1日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 7月1日パウゼにて、入川舜さんと多賀谷祐輔さんによるピアノジョイントリサイタルが開催されました。お二人とも東京藝術大学大学院を修了され、若手ピアニストとして精力的にご活躍されています。本日は、シューベルトから現代の作品までと非常にバラエティに富んだプログラムで迎えてくださいました。

 リサイタルは、お二人の連弾によるシューベルト≪アレグロ イ短調「人生の嵐」D.947≫で幕を開けました。まるで人生を回想するように様々な場面がめまぐるしく展開されてゆく作品ですが、お二人の繊細にコントロールされた美しい響きによる息の合った演奏で、それぞれのもつ性格が見事に表現され、改めてこの作品の奥深さが感じました。

 続いては、シューマン≪ノヴェレッテンOp.21≫から、第1番と第2番が入川さんにより、第6番と第8番が多賀谷さんにより演奏されました。入川さんのどっしりと安定した伸びやかな演奏と、多賀谷さんのクリアで繊細な演奏で、各曲の持つ物語が巧みに描き出されていました。

 休憩を挟み後半は、お二人によるソロから始まりました。

 入川さんは、寺嶋陸也≪2つのノクターン≫を演奏。この作品の1曲目は「夜の情感」を、2曲目は「夜の情景」をテーマに作曲されているとのこと。夜空に星が輝き、夜の静かな時がゆったりと流れてゆくような繊細で心地の良い演奏は印象的でした。

 多賀谷さんは、M.v.d.ボス≪光は雪原に降り注ぎ〜春はすぐそこに?〜≫を演奏。今回が初演のこの作品は、「新しく来る何か」が表現されているとのことです。光がキラキラと輝いているような響きや、小鳥のさえずりのような響きなどが聴こえ、春の到来が感じられるような、温かく希望に溢れた演奏を聴かせて下さいました。

 続いては、ドビュッシー≪前奏曲集≫より<月の光が降り注ぐテラス>(多賀谷さん)、<水の精>(多賀谷さん)、<デルフィの舞姫たち>(入川さん)、<ヒースの茂る荒れ地>(多賀谷さん)、<アナカプリの丘>(入川さん)、<音と香りは夕暮れの大気に漂う>(入川さん)の6曲が演奏されました。これらの曲目は1日の流れゆく「時間」をテーマに選ばれたとのことで、お二人の色彩豊かな演奏から、まるで夜から夕方までの一日が変化していくときの空気や香り、景色などが五感を通じて感じられるようでした。

 最後は、連弾によるラヴェル≪ラ・ヴァルス≫です。1台のピアノで演奏しているとは思えないほどのありとあらゆる音色が聴こえた豪華な演奏で、この作品の持つ華やかで幻想的な世界が存分に醸し出されていました。

 盛大な拍手に応えて、アンコールに冒頭のシューベルトを再演され、リサイタルが締めくくられました。

 盛りだくさんの内容と、それぞれの作品の持ち味が生かされた演奏が堪能できた、あっという間の2時間でした。またお二人の演奏が聴ける日を楽しみにしています。

(K.S.)

 

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