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上野優子ピアノリサイタル 開催レポート
〜 《ココロノヒビキ Vol.2》 ジェルメーヌ・ムニエ先生へのオマージュ〜
2011年
6月27日(月) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 6月27日パウゼにて、上野優子ピアノリサイタル《ココロノヒビキ Vol. 2》が行われました。チケットは完売という人気ぶりで、会場は超満員のお客様で埋め尽くされました。上野さんは、イタリアおよびフランスに留学経験があり、数多くのコンクールで入賞を果たしている現在活躍中のピアニストです。今回のコンサートのサブタイトルに、“ジェルメーヌ・ムニエ先生へのオマージュ”とあるように、この日は上野さんのパリでの恩師ムニエ先生の6周忌にあたるとのことで、先生との思い出の詰まった作品が並べられました。

 ドメニコ・スカルラッティの《ソナタ》より3曲、ロ短調K. 27、ニ短調K. 141、イ長調K.533からコンサートは始まりました。はじめの2曲は短調でしたが、それでも明るく快活なタッチで、南ヨーロッパの晴れ渡るような雰囲気が感じられました。

 続いて、ショパン《ピアノソナタ 第3番 ロ短調》作品58が演奏されました。悲劇的な力強さや深みの中にも、優しさにあふれた表現が印象的でした。とりわけ第4楽章での高揚感は、聴く者を強く惹きつけるものがありました。

 後半のプログラムには、ロシア系の作曲家の作品が続きました。まずは、ボルトキエヴィチ《バラード》作品42。演奏されることの少ない作曲家で、実は筆者は初めて聴いた作品だったのですが、哀愁ただよう美しいメロディーに魅了されました。

 プロコフィエフ《4つのエテュード》作品2では、それまでとは打って変わって硬質なタッチで、それぞれ特徴あるエテュードを高度でかつ安定感のあるテクニックで披露してくださいました。

 最後は、プロコフィエフ《ピアノソナタ第3番 イ短調》作品28「古い日記帳から」でした。集中力の高い演奏で、音楽の流れに沿った様々な表情がよく伝わってきました。圧倒的な演奏に、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。

 アンコールには、3曲も演奏してくださいました。初めてムニエ先生に見ていただいた曲だというベートーヴェン《ピアノソナタ第31番》作品110より第1楽章、以前ショパンコンクールでも演奏したショパン《バラード第2番》作品38、そして今年生誕200年を迎えている作曲家リストの《愛の夢 第3番》、どれもムニエ先生への気持ちが感じられるような、とても温かく優美な演奏でした。

(M.K)

  

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