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アンナ・フェドロヴァ ピアノリサイタル 開催レポート
アルゲリッチが絶賛するピアノ界の彗星!
2011年6月26日(日) 14:00開演( 13:30開場)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 6月26日パウゼにて、『アンナ・フェドロヴァ ピアノリサイタル』が開催されました。ウクライナ出身のフェドロヴァさんは、2009年ルービンシュタイン国際ピアノコンクールで優勝されるなど、多数の国際コンクールでの受賞歴を誇り、ソロや世界各地の著名なオーケストラとの共演など若手ピアニストとして活発にご活躍されている傍ら、現在はイタリアのイモラ国際ピアノアカデミーで研鑽を積まれています。

 今回のプログラムは、ベートーヴェン、ラヴェル、ショパンといずれも時代の異なった大曲ばかりで構成されていました。

 淡いピンクのドレスで登場されたフェドロヴァさんが最初に演奏されたのは、ベートーヴェン≪ソナタ第2番イ長調Op.2-2≫です。軽やかなタッチで古典的な奏法が再現され、各楽章ともそれぞれの音の持つ役割や方向性がしっかりと感じられただけでなく、エネルギッシュで非常に表情豊かな演奏を聴かせて下さいました。

 続いて演奏されたのは、ラヴェル≪夜のガスパール≫です。湖に月や星の光がキラキラと反射しているような、かつ水の繊細な動きが感じられるような響きに乗せ、メロディを語りかけるように演奏をされた<オンディーヌ(水の精)>、鐘の音が遠くで静かに鳴り響きながら不気味な静寂が醸し出されていた<絞首台>、悪戯好きの妖精スカルボが火花のように活発に動き回り突然消える様が表現されていた<スカルボ>。いずれも、確実なテクニックとピアノの持つ多彩な音色を駆使され、この作品が持つ幻想的で妖しげな世界が見事に描写されていました。

 休憩を挟み後半は、ショパン≪ソナタ第3番ロ短調 Op.58≫です。フェドロヴァさんの演奏は派手やかなものではなく、タッチやペダルリングを繊細にコントロールされ、各楽章の持ち味を丁寧にじっくりと聴かせて下さるものでした。色彩豊かで洗練された響きの中に、ショパンの父親の死に対する悲しみや愛人サンドとの不仲などによる陰鬱さや内なる情熱などが伝わってくるような演奏は、非常に心打たれるものがありました。

 これらの大曲を弾き終えられたフェドロヴァさんに客席から盛大な拍手が贈られ、アンコールにショパン≪小犬のワルツ≫とラフマニノフ≪前奏曲嬰ト短調Op.32-12≫が演奏され、さらに会場を沸かせました。

 今回は古典派から近現代までの幅広い時代を網羅したプログラムでしたが、それぞれのスタイルを見事に弾き分けられたフェドロヴァさんの演奏は実に素晴しいものでした。また日本で演奏を聴けることを楽しみにしています。

(K.S)

 

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