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木村友梨香&渡邉真司 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.14
2011年
6月8日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 6月8日パウゼにて、「木村友梨香&渡邉真司 ピアノジョイントリサイタル」(東京音楽大学表参道サロンコンサートvol. 14)が催されました。木村さんは現在東京音楽大学ピアノ演奏家コース1年給費入学生準特待奨学生、渡邉さんは同大学ピアノ演奏家コース3年生で、お二方ともすでに国内外のコンクールでの受賞経験が豊富な若手ピアニストです。大学のご友人などが多く応援に駆けつけ、会場はほぼ満席の大盛況で、賑わっていました。

 今日は前半を木村さんが、後半を渡邉さんが担当する形で、演奏会が進められました。

 木村さんの演奏は、スカルラッティ《ソナタ》より、K. 33/L. 424(二長調)とK. 427/L. 286(ト長調)で始まりました。急速なパッセージでの音の粒のそろった、きらめくような音色が、耳に心地よく響きました。続いて、ハイドン《ソナタ》Hob. XVI/31を演奏されました。木村さんは大学1年生でまだ若いにもかかわらず、繊細で上品な演奏を聞かせて下さり、お客様が木村さんの音楽にどんどん引き込まれていく様子が感じられました。

 そして2曲続けて、ショパン《ノクターン》op. 62-1とop. 62-2でした。いずれも長調でありながら、作品中に漂う切なさや哀しさを音色で巧みに表現していました。ここまでは繊細さの際立った演奏でしたが、最後にラフマニノフ《絵画的練習曲》op. 33-6と《ソナタ 第2番》op. 36では、超絶技巧や力強さといった木村さんの別の顔を知ることができました。

 休憩をはさんで、渡邉さんが登場。まず、ショパン《エチュード》op. 10-12「革命」を演奏されました。祖国へのショパンの熱い思いが伝わってくるような力強さの中にも、右手の旋律には“歌”が感じられ、素晴らしい演奏でした。続いて、同じくショパンから《マズルカ》op. 24-2とop. 63-3でした。3拍子の2拍目、あるいは3拍目に強いアクセントがあるマズルカの独特なリズムが聞こえてきました。

 この後、リストが3曲続きました。《ハンガリー狂詩曲 第12番》では、多彩な音色を聞かせて下さいました。特に、pでの高音部は水面に反射する光を連想させるような輝かしさを放ち、とても印象的でした。次は《コンソレーション 第3番》。表題のコンソレーションは「慰め」を意味していますが、その文字通り、優しさに包み込まれるような演奏でした。《死の舞踏》S. 525では、渡邉さんの情感が演奏に溢れ出ており、集中力やスケールの大きさに圧倒されるばかりでした。

 演奏後、2人の若手ピアニストへ温かく大きな拍手が送られました。アンコールとして、ドビュッシー《小組曲》より「バレエ」を演奏して下さいました。お互いの個性を生かしつつも、2人が同じ音楽に向かうことでソロとは異なった音楽世界を覗くことのできた瞬間でした。

 お二人の今後のご活躍が楽しみです。

(A・H)

  

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