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清田千絵&林 翔子 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
くにたちサロンコンサート in 表参道シリーズ Vol.11
2011年5月10日(火) 19:00開演( 18:30開場)
協賛:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 5月10日、清田千絵さんと林翔子さんのピアノ・ジョイントコンサートが行われました。あいにくの雨模様でしたが、たくさんのお客さんがいらしていました。清田さんは、国立音楽大学を卒業後、アンサンブル・ピアノコース、東京藝術大学の修士課程を修了された方。林さんは、国立音楽大学を卒業後、桐朋学園大学の修士課程を修了された方です。お二人とも、数多くのコンサートに出演するなど、現在活躍中の若いピアニストです。コンサートは、はじめにそれぞれがソロを、そして最後に連弾という構成でした。

 まずは清田さんのソロ、ショパン《ノクターン第13番 ハ短調》Op. 48-1ではじまりました。ここでは、この音楽のもつ深さをよく伝えていたと思います。続いて、ショパン《ポロネーズ第7番 変イ長調》Op. 61「幻想ポロネーズ」。それぞれのフレーズから多彩なイメージがあふれてくるような、そんな演奏でした。最後は、リスト《巡礼の年・第1年「スイス」》より第4曲「泉のほとりで」、第6曲「オーベルマンの谷」でした。「泉のほとりで」での、色彩感のあるきらびやかな音色は、とても美しく響きました。白眉は「オーベルマンの谷」で、移りゆく感情の波を見事に表現していました。

 休憩をはさんで、林さんのソロはバッハ《パルティータ第1番 変ロ長調》BWV 825からでした。音の立ち上がりがとてもはっきりしている、端正な演奏でした。続いて松村禎三の作品が3曲、《ギリシャによせる2つの子守歌》、《巡礼―ピアノのための―I, II》が演奏されました。実は、筆者は初めて聴いた作品だったのですが、どれも独特で繊細な響きで、あっというまに魅了されました。そして、ソロの最後はショパン《バラード第4番 ヘ短調》Op. 52。素晴らしい和声感の立体的な音楽で、ドラマティックに展開されていたのが印象的でした。

 このコンサートの最後は、連弾によるラヴェル《マ・メール・ロア》でした。愛らしい小品らしく、美しくなごやかな雰囲気で進められました。お二人の音色が非常によく溶け合っていて、アンサンブルを演奏者自身も楽しんでいるように見えましたし、そしてもちろん、私たち聴き手も楽しむことができたように思います。

 心あたたまる演奏をしてくださったお二人の、今後のますますの活躍を期待したいと思います。

(M. K.)

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