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中井正子公開講座 開催レポート
〜ピアノテクニックシリーズ第5回(全5回シリーズ)〜
2011年10月19日(水) 10:30 開演(10:30〜12:30)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 今年5月から開催されております、中井正子先生による公開講座シリーズ。第5回目となる今日の講座では、ピアノ曲のレパートリーとして非常に人気の高い、ショパンの名作がとりあげられました。会場には、先生自らが校訂されたショパン作品の楽譜が並び、ショパンの作品に対する先生の熱意が伝わってきました。講座の前半は、《即興曲》第1番を中心に、ショパンの小品を美しく演奏するテクニックについて。後半は、難曲である《バラード》第1番の奏法・練習法について。ピアノを演奏したことのある方なら誰もが関心をもつトピックに、聴講の方々は熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

 先生は、まずショパンの作品を演奏する上で必要な知識やテクニックについて概観された上で、ご自分でピアノをお弾きになりながら、具体的な楽曲の解説に入られました。楽譜の1音1音、時には音と音の間までをじっくり分析しながら、楽曲のどの部分をどのような手の動きで表現してゆくかを説明してゆきます。また、楽曲を支える左手の伴奏をよく練習すること、ペダルをどう踏むかだけでなくどう離すかもよく考えることを強調されました。

 《バラード》第1番の解説では、一見単純に思われるパッセージをどのように分析するか、全く同じメロディーにどのようにして変化をつけるか、などについてコメントを入れながら、10分近くある大曲をどのように表情豊かにまとめてゆくかを解説されました。難しい技術を必要とするパッセージについては、聴講の方々がより理解を深められるよう、何度も言葉を繰り返しながら、練習方法を提示されました。一瞬で通り過ぎてしまうような1つのフレーズについても、右手と左手の重さのバランス、音色、手の力の抜き方などを検討している先生の分析の緻密さは、驚くべきものでした。そして実際に演奏された先生の《バラード》第1番は、どんなに複雑で難しい箇所においても、1つ1つの音がとても美しく絶妙なバランスで響いていました。

 今日の講座を聴いた方々は皆、家に帰ったら一番にショパンの楽譜を開いて勉強したい、と思われたのではないでしょうか。次回の講座も大変楽しみです。 

(A. T)

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