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小林亜里沙 (Vn.)&大伏啓太(Pf.)デュオリサイタル 開催レポート
〜ドイツ音楽の夕べ〜
2011年
4月28日(木) 19:00開演( 18:30開場)
主催カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 4月28日、パウゼにて小林亜里沙さんと大伏啓太さんのデュオリサイタルを聴きました。ヴァイオリンの小林さんは、東京藝術大学を卒業し、現在はドイツのニュルンベルク音楽大学に留学中、ピアノの大伏さんは東京藝術大学大学院に在籍中で、お二人ともコンクールの入賞歴に加え、多くのコンサートでの活躍も著しい若手です。

 「ドイツ音楽の夕べ」と題された当夜のプログラムの最初は、ベートーヴェン《ヴァイオリンソナタ 第5番 へ長調》Op. 24、「スプリング・ソナタ」として親しまれている名曲でした。第1音から、小林さんの澄みきった艶のある音が会場をあたたかく満たしていきました。全楽章とも、端正に演奏していました。続く《F. A. E. ソナタ》よりブラームスの作曲した〈第3楽章 スケルツォ〉では、密度の濃い音とフレーズの力強さがとても印象的で、聴く者を圧倒させる勢いがありました。

 後半の1曲目は、モーツァルト《ヴァイオリンソナタ ホ短調》Kv. 304。この短調の切ない響きを、優しく歌い上げていました。そして最後のシューマン《ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調》Op. 121は、本当に聴きごたえがありました。シューマンのロマン的な面をよく表した、ファンタジーに溢れる熱演でした!

 コンサート全体を通して、堅実なテクニックを兼ね備えた見事なアンサンブルだったと思います。お二人とものびのびと表現していながら、互いに支え合い、刺激を受け合う、そんな理想的な音楽の会話を聴くことができました。

 アンコールには、シューマンの《トロイメライ》をお二人で演奏されました。震災当日は、ドイツにいて心配しながらインターネットで情報を得ていたという小林さん、そして被災地福島県出身の大伏さん、それぞれ音楽で人々に安らぎや夢を与えたい、というコンサートに気持ちで臨んだ、とおっしゃっていました。その思いは、確実に会場の聴き手に伝わったことでしょうか。素敵な音楽でエネルギーをもらうことができた、そんなコンサートでした。

(M. K.)

 

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