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2011年2月2日(水) 12:00 開演
ランチタイムコンサートin表参道(全4回)
ヴァレンタインタイムコンサート 開催レポート
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン パウゼs
2月2日12時からの1時間、パウゼにて「ヴァレンタインランチタイムコンサート」が開催されました。ピアノ四重奏曲をテーマとしているこのランチタイムコンサートシリーズは、今回が第2回目。開場はほぼ満席の大盛況でした。今日の演奏者は、甲斐摩耶さん(Vn)、飛澤浩人さん(Vla)、小川和久さん(Vc)、稲田潤子さん(Pf)の4人。
1曲目のベートーヴェン《ピアノ四重奏曲 変ホ長調》op. 16では、絶妙なバランスのもと、4人の音が見事に調和しており、特に第2楽章でその響きの美しさが際立っていました。また、自然にわき出るようなフレージング作りにこのアンサンブルの魅力を感じました。
2曲目はルクー《ピアノ四重奏曲》でした。ルクーGuillaume Lekeu(1870-1894)は、腸チフスのために24歳の若さで亡くなったベルギーの作曲家です。短い生涯に残した作品が少ないためか、彼の名前はあまり知られていなく、演奏会でプログラムに入れられることも、CDに録音されることも非常に少ない作曲家です。今日このように生演奏に立ち会えたのは、とても貴重な機会でした。
さて、このピアノ四重奏曲は未完成であり(この作品を作曲中に夭折)、第2楽章はルクーの2人目の師ダンディVincent D’Indyによって最後の7小節半が加筆され、完成されました。ルクーは作曲活動において、作品に自らの精神(魂)を投入することを重んじていたようで、情熱的な筆致が特徴です。今日はまさに、ルクーの情緒の激しい揺れ動きに、4人の演奏者の溢れんばかりの感情が重なり、とても熱い演奏を聴かせて下さいました。この熱演にお客様からの拍手は鳴りやまず、大勢の方にお楽しみいただけたようです。
次回の開催は、3月28日(月)。パウゼで、音楽を楽しみながらお昼のひとときを過ごしてみてはいかがですか?
(A・H)
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