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横山さやか&川島立子 ピアノジョイントリサイタル 開催レポート
くにたちサロンコンサート in 表参道シリーズ Vol.10
2010年12月14日(火) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 12月14日パウゼにて、横山さやかさんと川島立子さんによるピアノのジョイントリサイタルが催されました。横山さんと川島さんは共に、国立音楽大学大学院修士課程を修了後、ピアノ・ソロだけでなく、室内楽や伴奏ピアニストとして幅広く活動されているピアニストで、現在は後進の指導にもあたっていらっしゃいます。寒い中、会場には多くのお客様やご友人が詰め掛け、開演を今か今かと楽しみに待っていらっしゃいました。

 演奏会は横山さんによるクララ・シューマン《四つの束の間の小品》op. 15の演奏で幕を開けました。ロベルト・シューマンの妻であり、19世紀に活躍した女流ピアニストであったクララの名は、よく耳にしますが、彼女の作品を初めて聴いた方も多かったのではないでしょうか。この作品が書かれたのは1845年ですが、この頃夫ロベルトの病状は良好で、また2人の娘が誕生するなど、クララにとって最も幸せで喜びに満ちていた時期でした。全体を通して、横山さんの暖かみのある音からは、クララのこの上ない幸福や女性としての優しさがよく伝わってきました。

 続いて演奏されたのは、ロベルト・シューマン《ウィーンの謝肉祭の道化芝居『幻想的情景』》op. 26です。この曲は標題の通り、シューマンがウィーン滞在中に楽しんだ謝肉祭の賑やかな様子を描写しています。性格の異なった5曲から構成されていますが、横山さんは見事に5つの場面を弾き分けており、まるで自分が謝肉祭の会場を訪れているかのようでした。

 後半ではまず、川島さんによってブラームス《ピアノソナタ 第3番》op. 5が演奏されました。この曲はブラームスが20歳の時の作品ですが、全5楽章で演奏時間を約40分も要する大曲であり、またすでにブラームス特有の重厚な響きや情熱のほとばしりが曲の随所に感じられます。特に素晴らしかったのは、ピアノという楽器を弾いていながらも、川島さんの演奏から時にオーケストラ的な響きや室内楽的な響きが聞こえてきたことです。川島さんの演奏に、お客様は大変満足されていたようでした。

 ここで再び横山さんが登場し、お二方が演奏なさったのはビゼー《子供の遊び》op. 22です。この曲はフォーレ《ドリー》やラヴェル《マ・メール・ロワ》と並んで連弾曲の有名なレパートリーとなっています。本日は第1曲〈ぶらんこ〉、第2曲〈こま〉、第3曲〈お人形〉、第6曲〈ラッパと太鼓〉、第11曲〈小さな旦那さまと小さな奥さま〉、第12曲〈舞踏会〉の計6曲の抜粋演奏でした。連弾は一種の小編成アンサンブルであるため、呼吸を合わせるという、ソロにはない難しさがありますが、横山さんと川島さんは呼吸だけでなく、気持ちまでが意気投合していたように思います。

 アンコールは、もうすぐクリスマスというこの時期を意識してなのか、チャイコフスキー《くるみ割り人形》より〈トレパック〉でした。原曲はオーケストラですが、こうやってピアノ連弾編曲で聴くのも楽しいですね。

 アンコールの後も拍手は鳴りやまず、お客様からは「もっと聴きたい」という声も聞こえてきたほどです。これからも、ぜひこのような演奏会を開催していただきたいです。

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