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小澤佳永 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.15》
2010年12月3日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 12月に入り、表参道の街並みにはイルミネーションが輝いて、すっかりクリスマスらしくなりました。本日は、東京藝術大学大学院修士課程を修了後、精力的に活躍されている若手ピアニスト小澤佳永さんのリサイタルが開催されました。会場には、満席になるほど非常に多くのお客様が集まり、小澤さんへの期待の高さが伺われました。プログラムは、J.S.バッハ、ブラームス、リストと盛りだくさんの内容で構成されています。

 宝石がキラキラとちりばめられた真紅のドレスで登場した小澤さんが最初に演奏されたのは、J.S.バッハの《幻想曲とフーガ イ短調 BVW904》。幻想曲の部分では、旋律を存分に歌わせ伸びやかでロマンティックな演奏を、そしてフーガに入ると、各声部を上手く弾き分け、厳格でありつつも表情豊かな演奏を聴かせてくださいました。

 続いては、ブラームスの《6つの小品 Op.118》です。この作品は、彼の晩年に作曲され、内面的で哀愁に満ちていますが、いずれの曲も、内に秘められた、ほとばしるような情熱を表現していくような演奏でした。

 休憩を挟み、後半はリストの作品です。まず、自身の作曲した歌曲をピアノ独奏用に編曲した作品を2曲。1曲目の「ライン、その美しき流れ」では、幻想的で、ライン川の美しさを彷彿とさせるような演奏を、2曲目の「ガスティベルツァ」では、兵士ガスティベルツァが恋人を想い歌う気持ちが伝わってくるような、勇ましく情熱的な演奏が印象的でした。

 最後は、《ハンガリー狂詩曲第11番 イ短調》、《忘れられたワルツ第1番》、《ハンガリー狂詩曲第12番 嬰ハ短調》が3曲続けて演奏されました。《ハンガリー狂詩曲》では、リスト特有の華やかさや民族性が感じられただけでなく、ピアノの持つ可能性を最大限に引き出したような豪快な演奏は実に圧巻でした。一方、中間で演奏された《忘れられたワルツ》は、楽しげで和やかな演奏でした。

 これらの曲目を見事に弾き終えられた小澤さんに会場から盛大な拍手が贈られ、アンコールにリストの《3つの演奏会練習曲》より「第2曲 軽やかさ」が演奏され、華やかに締めくくられました。

 若々しくエネルギッシュで、作品に対する熱い思いが感じられた演奏を聴くことができ、充実したリサイタルでした。

(K.S)

 

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