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“IMAGINATION” Vol.10
「望郷のピアニストたち」
稲田潤子 ピアノリサイタル 開催レポート
2010年11月16日(火)19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:東京文化会館小ホール

 

 11月16日、東京文化会館の小ホールにて稲田潤子ピアノリサイタルを聴きました。数々のコンクール受賞歴を誇り、国内外で活躍する稲田さんの演奏を聴こうと、会場がほぼ満席になるほど、本当にたくさんのお客様が駆けつけました。”Imagination” Vol. 10 〜望郷のピアニストたち〜という副題のつけられたこのコンサートでは、前半にショパン、後半にラフマニノフの作品が演奏されました。

 ショパンの《ノクターン ハ短調》Op. 48-1は、味わい深い音色で始まりました。そこから、その力強く情熱的な音楽へと移り、この最初の1曲ですでに稲田さんの持ち味に気づくことができました。続く《ポロネーズ 嬰へ短調》Op. 44では、スケールの大きくドラマティックな世界が醸し出されていました。《4つのマズルカ》Op. 24は、それぞれ独特のリズム感を活かした本当に魅力的な音楽でした。前半最後の《バラード第1番 ト短調》Op. 23は、次々に現れる旋律を非常に美しく歌い上げていました。最後のコーダの盛り上がりは圧巻で、情熱的にとどめなく音楽が流れ出ているのが印象的でした。

 後半に演奏されたラフマニノフの《13の前奏曲》Op. 32は、彼の代表的な作品で、しばしば聴かれる作品です。しかし抜粋ではなく、今回のように13曲連続で聴くと、また新たな魅力の発見もあったように思います。「全体に一貫性が感じられる」とプログラムノートにも書いておられたように、稲田さんの演奏は、全曲を通して高い集中力が保たれ、1曲ごとの性格を的確に描き分けると同時に、1つの曲集として、見事に表現されていたと思います。

 盛大な拍手に応え、アンコールとして、まずショパンの《コントルダンス 変ト長調》、そして《「小犬のワルツ」変ニ長調》Op. 64-1を颯爽と弾いてくださいました。最後は、フィギアスケートでもお馴染みとなったラフマニノフの《前奏曲 ハ短調「鐘」》Op. 3-2を壮大に演奏し、締めくくりました。この名演に、聴衆はみな、大満足で帰ることができたことでしょう。

(M. K. )

 

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