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安部まりあ ピアノリサイタル開催レポート
《2009年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ 》
2010年10月29日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 《2009年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ》本日は、安部まりあさんのリサイタルが開催され、会場にはたくさんのお客様が集まりました。現在、上野学園大学演奏家コース4年に在学されている安部さんは、日本音楽コンクール以外にも国内外の数々のコンクールでの受賞暦を誇り、オーケストラと多数共演されるなど、精力的に活躍されています。

 プログラムは、安部さんが最も好まれている作曲家で今年生誕200周年を迎えたショパンとシューマンのほかに、モーツァルトとリストの作品で構成されており、盛りだくさんの内容でした。

 淡いピンクのドレスで登場された安部さんが最初に演奏されたのは、モーツァルトの《ソナタ 変ロ長調KV570》です。柔らかな音色で隅々までコントロールが行き届いており、伸びやかで温かみのある演奏でした。

 次に、ショパンの作品が2曲続きます。一曲目は、生前最後に作曲された《ノクターン第17番 ロ長調Op.62-1》です。一音一音に耳を傾けながら、しっとりと表情豊かに演奏され、瞑想しているような落ち着いた響きが会場を満たしました。続く《バラード第4番 ヘ短調Op.52》は、ワルシャワ時代の恩師や友人を亡くした悲しみが反映された作品ですが、彼の深い悲しみが伝わってくるような非常にドラマティックな演奏でした。

 そして前半最後は、リストの《スペイン狂詩曲》です。イベリア半島が起源の舞踏<フォリア>やスペインのアラゴン地方が起源の舞踏<ホタ・アラゴネーサ>などが登場し展開されていく作品ですが、安部さんの鮮やかなテクニックと情熱的で華やかな表現による豪快な演奏は見事でした。

 休憩を挟み後半は、シューマンの作品です。最初の《アラベスク ハ長調Op.18》では、温かく繊細な音色で幻想的な世界が醸し出されていました。

 最後は《謝肉祭Op.9》です。A-Es-C-Hの4音を動機とする21の小品から構成されており長大な作品ですが、安部さんの高い集中力と表現力で各曲の性格を巧みに表現されているだけでなく、心から音楽を楽しんでいるような演奏に会場から盛大な拍手が贈られました。

 鳴り止まない拍手に応え、アンコールにショパンの《ノクターン変ホ長調Op.62-2》と吉松隆の《プレイアデス舞曲集 II 》より「断片的な舞曲」が演奏され締めくくられました。

 充実した内容と質の高い演奏、そして本日演奏された作品への深い思い入れを感じられた素晴らしい演奏会でした。更なるご活躍を期待しております。

(K.S)

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