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矢島愛子 ピアノリサイタル
2010年10月7日(木) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 10月の秋の晩、若手ピアニストの矢島愛子さんのピアノリサイタルを聴きました。会場のパウゼは開演前に満席になり、みなさん矢島さんの演奏への期待で胸を膨らませている様子でした。

 パープルのドレスに身を包んだ矢島さんが笑顔で登場すると、ステージは一気に華やかな雰囲気に包まれました。演奏会はシューベルトのピアノソナタ第13番イ長調で開始。一貫して優しい雰囲気の長調のこの曲の演奏は、ペダルを巧妙に使ってあたたかさや優雅さをかもし出していました。

 今年で生誕80年を迎えた武満徹の《閉じた目》では、演奏に直観的なすばらしさを感じました。「現代曲」に特有の鋭い響きのなかにも広がる温もりや、突如差し込む閃光のような激しさがとても印象的でした。

 ショスタコーヴィチの《24の前奏曲とフーガ》からは第24番ニ短調を演奏。この曲では男性的と言っていいほど荒々しくたくましい低音が味わい深かったです。

 後半は再びシューベルトのピアノソナタで、今度は第18番ト長調です。内省的なメロディから始まるこの〈幻想ソナタ〉はシューマンに絶賛された大曲ですが、一貫して強い精神力で、形式的にもすぐれたこの曲の輪郭を美しく提示しました。

 アンコールの演奏も、心を打つものでした。シューベルト=リストの《水車小屋と小川》は、心にじわりと来る旋律に深く浸りました。さらにはプロコフィエフの《サルガリズム》から〈嵐のように〉と〈間延びしたアレグロ〉も演奏。激しく様々な感情が入り混じったようなアンコール演奏に、会場は熱い拍手を送りました。海外でも活動され、オーケストラ共演も多数こなされている矢島さん、今後更に活躍なさること間違いありません。

(T.)

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