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柏原佳奈ピアノリサイタル 開催レポート
《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズVol.10》
2010年8月25日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 今日は柏原佳奈さんのリサイタルを聴きました。柏原さんは桐朋学園大学大学院を修了後、ハンガリーのリスト音楽院へ留学。国内外の様々なコンクールでの優勝経験があり、現在世界各地でご活躍なさっているピアニストです。

 さて、本日はシューベルト、ラヴェル、ショパン、リストという、ヴァラエティに富んだ、ピアノ音楽の魅力を存分にプログラム。筆者も楽しみにしながら会場へ足を運びました。チケットは前売りの段階で既に完売。皆様、開演前から柏原さんの演奏を楽しみにしている様子がひしひしと伝わってきました。

 夏にピッタリの黄色のドレスで登場された柏原さん。まず弾き始めたのはピアノ学習者に人気の作品、シューベルトの《即興曲》作品90-3、2です。極めてシンプルな旋律を歌わせながら、微妙な和声の変化を巧みに表現した第3番。爽快なパッセージで流れるような演奏を繰り広げた第2番と、お馴染みの名作を心地よいテンポで聴かせて下さいました。

 続いてはラヴェルの《夜のガスパール》。シューベルトの後にラヴェルをもってきたというのは、両者の作品に共通するある種の「浮遊感」故でしょうか?などと考えつつ聴いていました。「水の精」「絞首台」「スカルボ」と、この作品特有の美しい響きと不気味さを感じさせつつ演奏。シューベルトとラヴェルで、タッチに変化をつけ、2人の作曲家の響きを見事に弾き分けたのは流石です。

 休憩を挟み、後半はショパンの《ノクターン》作品15−1、2から始まりました。しっとりとした心地よい旋律が滑らかに流れていきます。この曲ではピアノの響きの美しさが特に印象的でした。一方、次に演奏された《スケルツォ》第1番は強烈な和音と急速なパッセージが際立つ演奏。ノクターンとスケルツォを連続して演奏するというアイデアは、ショパンの対照的な世界を感じさせるという意味で、良いプログラミングだと感じました。

 最後は、「ピアノの魔術師」リストの2作品が続きます。《2つの演奏会用練習曲》より「ため息」では、暖かく優しい音色が会場に広がりました。最後の「メフィストワルツ」は、豪快なテクニックが冴え渡り、聴き手を圧倒。この難曲を最後に持ってきたのは、柏原さんの自信の表れでしょう。こちらもリストの2曲も前のショパンと同様、対照的な性格の作品を続けたことにより、演奏会の流れがメリハリのあるものになったと思います。

 お客様の盛大な拍手に応え、柏原さんはアンコールに《2つの演奏会用練習曲》より「少人の踊り」を演奏。装飾音が印象的なこの作品をかわいらしく演奏し、リサイタルを終了しました。

 魅力的なプログラムとハイレヴェルな演奏に、お客様も大変満足されて会場を後にしたようです。

 (M.S.)

  

終演後の様子(先生とのお写真と、ご友人の方々と)

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