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〜 末永 匡 ピアノリサイタルシリーズ vol.3 〜
末永 匡&矢野智久デュオリサイタル 開催レポート
〜 ドイツで育まれた二重奏 〜
2010年
8月21日(土) 14:00開演(13:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 ピアニスト末永匡さんによるピアノリサイタルシリーズ第3回目は、フライブルク歌劇場管弦楽団チェロ奏者の矢野智久さんをお迎えしてのデュオリサイタルです。今回は『ドイツで育まれた二重奏』をテーマに、バッハ、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスと盛りだくさんのプログラム。会場は補助席が設けられるほどの超満員で、このシリーズへの人気の高さが伺われます。

 まず末永さんより、世界的ピアニスト兼指揮者であるダニエル・バレンボイム氏がアラブとイスラエルの平和を願い立ち上げたウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラのプロジェクトなどを例に、今回の演奏会は『共存と平和』への思いが込められていることをお話しされ、演奏会がスタートしました。

 一曲目は、シューマンの≪アダージオとアレグロOp.70≫です。お二人はまるで対話をしているように、瑞々しく、音楽が次々と湧き出てくるような演奏を聴かせてくださいました。

 続く、ベートーヴェンの≪ピアノとチェロのためのソナタ第3番Op.69≫では、情熱的で、生き生きと躍動感のある演奏は、終始、火花を散らすような緊張感があり、息を呑むほどの迫力でした。

 休憩を挟み後半は、お二人のソロから始まりました。まずは、矢野さんによる、バッハの≪無伴奏チェロ組曲第5番BWV1011≫より「プレリュード」です。息が長く伸びやかな演奏で重厚で格調高い世界が広がっていき、フーガの部分になると、さまざまな声部を巧みに弾き分けられ、立体的な演奏でした。

 続いて、末永さんによるブラームスの≪6つの小品Op.118≫より「第2番」では、しっとりとした音色でたっぷりと歌われ、回想していくようなとても深みのある演奏でした。

 最後はお二人による、ブラームスの≪ピアノとチェロのためのソナタOp.38≫です。厳格で哀愁を帯び、深みがあるだけでなく、お二人の全身で音楽を表現し語りかけてくる演奏は聴き手に強く響いてくるものがありました。

 鳴り止まない拍手に応え、末永さんは、室内楽は対話であるとお話し下さり、アンコールにシューマンの≪アダージオとアレグロOp.70≫より、「アダージオ」を再演されました。お二人の楽器を通しての対話が聴こえてくるような和やかな演奏は、さらに聴衆の方々を沸かせました。

 お二人の互いに音楽を聴きながら対話をしていくような演奏、音楽を心から楽しんでいるような演奏は、あっという間に演奏会が終わってしまったと思えるほど非常に素晴らしく感動的でした。

 終演後には日本酒が抽選会などもあり、とても賑わっていました。  

(K.S.)

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