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久元祐子 ピアノ演奏法講座 開催レポート
『続・一歩上を目指すピアノ演奏法』第2回(全5回シリーズ)
「メンデルスゾーン、シューマンI」」
2010年7月27日(火) 10:30〜12:30
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 久元祐子先生の『続・一歩上を目指すピアノ演奏法』第2回目は、メンデルスゾーンの≪無言歌≫と彼の≪無言歌≫を大変評価していたシューマンの≪子供のためのアルバムOp.68≫についてです。久元先生の、実演も含めながらの明快なレクチャーに会場の方々は熱心にメモを取りながら耳を傾けておられました。

 前半は、メンデルスゾーンの≪無言歌≫についてです。ここでは、「信頼Op.19-4」、「岸辺にてOp.53-1」、「春の歌Op.62-6」の3曲を例に取上げられ、≪無言歌≫は、歌わせることの練習で、小品であっても、いかに美しく弾くかということが求められているとともに、実際の歌曲のように、歌い手と伴奏者の一人二役をこなさなければならないようです。前奏と後奏については、曲の舞台設定にあたり、情景を写し出して、歌の雰囲気に合った演奏が求められるとのこと。デュナーミクについては、fやp、sfなどを曲の性格に合わせて、いろいろな種類を使い分けることや、フレーズの最後では必ずディミヌエンドにすることなどを。タッチについては、指を寝かし気味にして柔らかく弾くカンタービレのタッチと、爪に近いところでパリッと弾くマルカートのタッチを駆使し、どのような音がほしいか常に音を聴きながら弾き分けることなどを。ペダルについては、当時の楽器と現代の楽器のペダルの違いについてお話しされ、演奏者はペダルを現代の楽器用に翻訳し上手に踏んでいく必要があることや、踏むタイミングなどを解説して下さいました。

 後半は、シューマンの≪子供のためのアルバムOp.68≫より、「想い出」、「冬I」、「愛しい五月、お前はまたやってきた」の3曲を例にお話しされました。デリケートな和声の変化を見逃さないように、上手に響きとして伝えることと、シューマンは詩を愛する作曲家であったため、曲にどのような詩を付けるか想像しながら弾くと良いとのことでした。後者については、「愛しい五月、お前はまたやってきた」において「詩人の恋」を例に、この曲はドイツリートのように韻を踏んでおり、ドイツ語のイントネーションをピアノでも用いているとご説明があり、なるほどと思えました。

 本日のレクチャーで、メンデルスゾーンとシューマンのこれらの作品は、一見シンプルなように思えますが、実は、奥が深く、たくさんの要素が詰まっていることがわかり、多くのことを学びとることができました。

(K.S.)

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