| |||||||
|
|
KSCO
Marunouchiなピアノ・カルテットvol.2
〜丸ビル35アンサンブル・シリーズの出演者が集う、室内楽の夕べ〜
出演:小池彩織(ヴァイオリン) 清水詩織(チェロ)石川悠子(ピアノ)青木篤子(ヴィオラ)
2010年6月13日(日) 18:30開演(18:00開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
6月13日、パウゼにて「Marunouchiなピアノ・カルテットVol. 2」を聴きました。その名にある通り、彼女たちは丸ビルの35階でのアンサンブル・シリーズで出会ったメンバーとのこと。ピアノは石川悠子さん、ヴァイオリンは小池彩織さん、ヴィオラは青木篤子さん、そしてチェロは清水詩織さんの4人で、コンサートはお話も交えながら、なごやかな雰囲気で進んでいきました。
前半は、石川さんのピアノで、弦楽器奏者の3人がそれぞれ小品のデュオを演奏しました。まずは、ヴァイオリンの小池さんで、ミルシティンがヴァイオリン用に編曲したショパンの《ノクターン 遺作》をとても抒情的に聴かせました。続いては、バルトークの《ルーマニア民族舞曲》。ルーマニア国際音楽コンクールで2位入賞し、また演奏会もしてきたという彼女の演奏は、民族的なリズムを活かし、生き生きとした表現が印象的でした。
続いて登場したのは、ヴィオラの青木さんです。あまりソロで聴く機会のないヴィオラですが、その魅力について「温かみのある音」と語っていました。そして、ブルッフの《ロマンス》をその温かい音で、自然に歌いあげていて、美しく惚れ惚れする演奏でした。
前半の最後は、チェロの清水さん。チェロは「縁の下の力持ちになることも多いけれど、旋律も弾ける幅広さが魅力」とおっしゃっていましたが、このポッパーの《ハンガリー狂詩曲》で、まさにソロでのチェロの魅力を存分に味わうことができました。チェロもピアノも、非常に高度な技巧が用いられていますが、息もつかせぬ見事なアンサンブルでした。
休憩後の後半は、お色直しをして、素敵な明るいドレス姿で登場したメンバー全員でのカルテット。ブラームス《ピアノ四重奏 第1番 ト短調》Op. 25が演奏されました。美しいハーモニーと掛け合いが、この作品の良さを十分に引き出していたと思います。繊細さから、熱い情熱まで、多彩な表現が楽しめました。
アンコールには、サプライズが!チェロの清水さんがご結婚されたばかりとのことで、ヴァイオリニストの旦那様の清水醍輝さんも仲間に加わり、シューマン《ピアノ五重奏 変ホ長調》Op. 44の第1楽章が演奏されました。パッションにあふれる名演で、素敵なアンサンブルのコンサートは締めくくられました。
|