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KSCO
草 冬香 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.13 》
2010年6月11日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会

会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 《東京藝術大学 表参道 フレッシュコサート》の第13回目として、草冬香さんのピアノリサイタルが開かれました。草さんは藝大修士課程修了の後、ドイツ国立フライブルク音楽大学を最優秀の成績で卒業、国家演奏家資格を取得されました。1年半前に帰国、現在洗足学園大学附属音楽教室と東京藝大で講師を務める傍ら、演奏活動をなさっています。

 プログラムを見ると生誕200年に当たるショパンとシューマン、それにロシアの大作曲家プロコフィエフの魅力的な作品が並んでいます。会場に足を踏み入れると、席は既に多くのお客さまで埋まっており、草さんの演奏への期待の高さがうかがえました。

 ステージに登場した草さんがまず弾き始めたのはショパンの《幻想曲》作品49。孤高の作曲家・ショパンが独り言を呟くかのようにポツポツとフレーズを弾き始めました。しかしやがてアルペジオが連続で出てくるあたりから音楽は躍動し始めます。スピード感あふれる流麗な表現が際立つ一方、中間部はピアニッシモの繊細な音色を聴かせ、メリハリのある表現を繰り広げました。

 続いてはシューマンの《幻想小曲集》作品12です。第1曲目の「夕べに」ではピアノという楽器の魅力を存分に引き出す美しい弱音で優しく語りかけるかのよう。一方で第2曲目の「飛翔」ではうってかわって情熱的な表現で圧倒的な演奏を繰り広げます。シューマンならではの詩的な世界が会場に響き渡る素敵な演奏でした。

 後半に演奏されたプロコフィエフの《バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より10の小品》作品75は、シェークスピアの同名の悲劇に基づく作品です。かわいらしい「少女ジュリエット」、重々しい行進曲風の「モンタギュー家とキャピュレット家」など、各曲の世界を見事に表現し、映画のストーリーを彷彿とさせる演奏を聴かせて下さいました。筆者も高校生のときに映画を観たことがあるので、草さんの演奏を聴いて、各場面の情景を思い浮かべながら、楽しく聴かせていただきました。

 演奏後のお話によると、草さんはここしばらく体調不良が続き、リサイタルの準備は相当大変だったようです。そのようなハンディをはねのける草さんの熱演に、客席からは盛大な拍手がおくられました。

 最後、草さんにとって思い入れの深い作品であるというドビュッシーの《子供の領分》より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」をスピード感あふれる爽快な演奏で披露、リサイタルを締めくくりました。お客様も草さんの完成度高く素晴らしい演奏に、大変満足されていたようです。

(M.S.)

 

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