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安武 亮ピアノリサイタル 開催レポート
《東京藝術大学同声会コンサートシリーズ Vol.9》
2010年
4月27日(火) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 プ東京藝術大学同声会コンサートシリーズ第9回目を迎える今回は、安武 亮さんのリサイタルです。あいにくの雨にもかかわらず、多くの方々で席が埋められました。安武さんは現在、東京藝術大学大学院に在学する傍ら、ヴァイオリニスト丁 讃宇氏の伴奏ピアニストを務めるなど、精力的に活躍されています。

 プログラムはモーツァルト、ショパン、プロコフィエフといずれも高度な技術と音楽性が要求されるものばかりで構成されており、期待を膨らませながら開演を待ちました。

 まず最初に演奏されたのは、モーツァルトの≪ピアノ・ソナタ第7番K.309≫。さまざまな音色を使い分け、ペダルを効果的に用いて、まるで交響曲を聴いているような、多彩で広がりのある響きが印象的でした。

 続く、ショパンの≪即興曲第1番Op.29≫では、素朴で愛らしい旋律が、温かな音色で、ひとつひとつじっくりと丁寧に表現され、前半最後は、同じくショパンの≪バラード第4番Op.52≫。ワルシャワ時代の恩師や友人を亡くしたショパンの悲しみが表れたこの曲を、表情豊かな深い音色で、次々と響きを構築していくように演奏されていました。

 休憩を挟み後半は、バレエ≪ロミオとジュリエット≫をもとに作曲されたプロコフィエフの≪ロミオとジュリエットから10の小品Op.75≫が演奏されました。一台のピアノで演奏されているとは思えないほどの管弦楽を思わせるような音色と、各曲の情景が巧みに描写されていることから、実際にバレエの舞台を観ているような錯覚に陥ってしまうほど引き込まれ、改めてこの作品の面白さを感じさせられました。

 アンコールにスクリャービンの≪アルバムの綴り≫とプロコフィエフの≪ロミオとジュリエットから10の小品≫より「メヌエット」が演奏され、盛大な拍手とともに締めくくられました。

 安武さんの演奏は、音色の素晴らしさと、主観性と客観性のバランスが良く、作曲家の意図を汲み取り、それを忠実に再現していくような解釈がとても印象的でした。今後のご活躍が大いに期待できるピアニストだと思われます。

(K.S)

 

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