トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2010年 > 日本ショパン協会パウゼシリーズ > 上野優子ピアノリサイタル > 開催レポート

日本ショパン協会 第252回例会
上野優子ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.9》
2010年
4月24日(土) 18:30開演( 18:00開場)
主催:日本ショパン協会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 本日の演奏者、上野優子さんは、桐朋学園大学在学中にイタリアとフランスに留学されました。数々の国際コンクール上位入賞の後、リサイタル、CDのリリースなど着実にピアニストとして活動の幅を広げておられます。

 本日は生誕200年に当たるショパンの《練習曲》作品10-1を中心に、パリを舞台に活躍した作曲家の作品を聴かせて下さいました。チケットは前売りの段階で既に完売。会場には補助席も設けられ、多くのお客様が上野さんの演奏を心待ちにしているようでした。

 春らしいグリーンのドレスでステージに登場した上野さん。まず弾き始めたのはモーツァルトの《ロンド》イ短調K.511です。悲しげな曲調ですが、重々しくなることは決してなく、あくまで柔らかく軽やかな音色で歌い上げました。ピアノの心地よい響きが印象的です。

 次はラヴェルの《ソナチネ》です。テンポの取り方は演奏者によって様々ですが、上野さんの演奏は、比較的早めのテンポで、きらびやかに演奏していました。それだけに鮮やかなテクニックがより一層際立った演奏だったといえるでしょう。

 続くファリャの《ベティカ幻想曲》は、フラメンコやギターなど、スペインの舞踏を連想させる色彩感豊かな世界を、ピアノ一台でリズミカルに表現されていたのが印象的でした。難易度が高い作品だけに演奏効果も抜群で、お客様も上野さんの豪快な演奏に集中してじっと聴き入っていたようです。

 後半は本日のメインともいえるショパンの《12のエチュード》作品10です。全12曲それぞれが、ピアノ演奏上の特定のテクニックを訓練するようになっており、通して演奏するのは容易ではありません。演奏を聴いたところ、上野さんは近年編纂・出版された「ナショナル・エディション」の楽譜を使用しているようでした。特に、第3番「別れの曲」でのフレーズが、よく知られた従来の版と大きく異なっているのです。とりわけ、第6番変ホ短調、第9番ヘ短調での情感豊かな演奏は感動的でしたが、一方で第1番ハ長調や、第12番「革命」など、華やかな作品での確かなテクニックも素晴らしく、各曲の正確を巧みに弾き分け、全曲を弾き切りました。

 アンコールに応え、上野さんはボルトキェビッチの《プレリュード》第7番、ショパンの《幻想即興曲》を演奏し、リサイタルを終えました。
 大変バラエティに富み、聴き手を楽しませてくれるリサイタルだったと思います。少し先ですが、上野さんは11月25日には、生誕100年に当たるバーバーの作品を含むリサイタルを行う予定です。こちらも是非お見逃しなく!

(M.S.)

  

ロビーの様子。 ご学友の皆様、恩師の有賀和子先生と。

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2010年 > 日本ショパン協会パウゼシリーズ > 上野優子ピアノリサイタル > 開催レポート