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深沢亮子ピアノリサイタル vol.6開催レポート
〜幼き日の風景〜
2010年
3月19日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 深沢亮子さんの「パウゼ」でのリサイタルシリーズは今回で6回目を迎えます。過去5回、ユニークなプログラムと情感あふれる演奏で聴き手を楽しませて下さいました。今回は〜幼き日の風景〜と題した、原田稔、シューマン、ヴォルフ、モーツァルトの作品によるプログラム。どんな演奏を聴かせて下さるのでしょうか。楽しみに開演を待ちました。

 プログラム冒頭は、原田稔の《鬼遊び唄4題》Op.A。日本人ならば誰もが子供の頃に遊びながら歌った懐かしい旋律が聞こえてきます。テーマ素材はシンプルですが、そこにドビュッシー風のお洒落な和音、装飾が織り込まれながら徐々に発展していくという、とても楽しい演奏でした。

続いては今年が生誕200年に当たるシューマンの《子供の情景》。この作品はリサイタルの定番曲で、筆者も何度も聴いたことがあります。今回の深沢さんの演奏は特に素晴らしく、「トロイメライ」や「こどもは眠る」でのピアニッシモの響きは、ピアノの魅力を最大限に引き出した筆舌に尽くしがたいものでした。

 休憩時間にはケーキとドリンクのサービスもあり、皆さまお話を楽しみながらリラックスして過ごされていたようです。

 後半はヴォルフの《幼年時代から》という曲で始まりました。ヴォルフというと、声楽曲が有名で、ピアノ曲はそれほど知られてはいません。筆者も初めて聴く作品でしたが、子供時代ののどかな世界が思い起こされるような美しい作品で、透明で純粋な響きが心地よい演奏でした。

 そして最後はモーツァルトの《ソナタ》イ長調K.331です。クラシックファンならずとも一度は耳にしたことがあるであろう有名曲です。深沢さんお話によると、この曲の第1楽章の主要テーマは南ドイツの子守唄のテーマが元になっているとのこと。お馴染みの作品ですが、深沢さんは、シンプルな旋律でも、思いっきり情感豊かに表現し、豊かな表現力で聴き手に語りかけてきました。最後の「トルコ行進曲」としてしられる第3楽章を力強く演奏し終えると、会場からはひときわ大きな拍手がおくられました。 

 アンコールには原田稔《鬼遊び唄》Op.Bと、シューベルトの《ワルツ》2作品を軽やかに演奏、リサイタルを締めくくりました。

 初めて聴いた曲も多かったのに、どこか懐かしい響きが感じられた、素敵なリサイタルでした。6回にわたって開催された深沢さんの「パウゼ」でのリサイタルシリーズは、今回で一旦お休みになるそうですが、是非また素敵な演奏を聴かせていただきたいものです。

(M.S.)

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