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涌井純子&中沢章子 ハープとソプラノの夕べ 開催レポート
2009年
12月3日(木) 19:00開演( 18:30開場)

主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 12月3日、パウゼにて「涌井純子&中沢章子 ハープとソプラノの夕べ」を聴きました。ハープの涌井さんは、邦人作品の初演や作曲、編曲など、幅広く音楽活動を展開しています。また、ソプラノの中沢さんは、歌曲にもオペラにも精力的に取り組んでいる方です。このお二人が、ハープとソプラノのデュオリサイタルという、なかなか珍しい企画をされ、会場には多くの聴衆が集まりました。

 1曲目は、デラックァの≪ヴィラネル≫というフランス歌曲。ピアノではなく、ハープで伴奏される歌曲は、どう響くのだろう?と思っていましたが、とても相性の良いものと確信できる、素敵なアンサンブルでした。ハープの温かい音色の上での、コロラトゥーラの華やかな技巧は、見事でした。2曲目は、武満徹の≪翼≫。伴奏を涌井さんがジャズ風にアレンジしたもので演奏されました。親しみやすい旋律をおしゃれな伴奏が盛りたてていました。そして、ハープのソロでフランスの作品が2曲続きました。ドビュッシー≪亜麻色の髪の乙女≫とフォーレ≪即興曲≫で、ハープの美しさを十分に味わえる演奏でした。

 後半も、ハープのソロからです。涌井さんの作品≪日本の旋律によるハープの為のメタモルフォーシス≫は、「夕やけこやけ、かごめかごめ、ほたるこい」からなり、時おり箏を思わせるような日本的な雰囲気で、とても温かな演奏でした。サルツェード≪夜の歌≫は、わざと爪を用いたり共鳴板を叩くなど、特殊奏法が効果的で、ハープの醸し出す多彩な響きを楽しめました。再び、歌も入り、山本純之介≪ラファエロによる天上の序曲≫。これは、今年の皆既日食の時にインスピレーションを受けたモティーフから作曲されたそうで、この日が初演でした。ゲーテの詩によるこの歌曲は、どこか神秘的で、深い印象を与えたように思います。最後は、ラヴェル≪5つのギリシャ民謡≫で、ややエキゾティックに魅了しました。

 そしてもう1曲、アンコールとしてバッハ=グノー≪アヴェ・マリア≫を演奏してくださいました。クリスマスイルミネーションが始まった表参道の雰囲気にピッタリな名曲で、コンサートは閉じられました。(M.)

  作曲家の山本純ノ介先生と。

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