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岡田敦子トーク&ピアノ・シリーズ Vol.2 開催レポート
「 弾く人、楽しんで弾く人のために、とびきり実践的なトーク&ピアノ」
2009年12月2日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 今日はピアニスト/文筆家の岡田敦子先生によるレクチャーコンサートです。新聞の批評、CDのライナーノートなど様々な場で岡田さんの名前を拝見していたので、どのようなお話が聞けるか、筆者もとても楽しみにしていました。本日のレクチャーコンサートは、「弾く人、楽しんで聴く人のために、とびきり実践的なトーク&ピアノ」と題されたシリーズの第2回目です。前売り券は既に完売。会場に足を踏み入れてみると、既に多くの方が開演を待っておられ、このシリーズの人気の高さが伺えました。

 ゲストにヴァイオリニストの花崎淳生先生を迎えて、演奏を交えながらレクチャーは進んでいきました。内容はバッハの《2声のインヴェンション》を、花崎さんに弾いていただきながら、ヴァイオリンのボウイングとタンギングを考え、それをピアノでの演奏表現に応用するというユニークなもの。聴きなれた《インヴェンション》の旋律がヴァイオリンで一味違った豊かな旋律で聴けたのも新鮮でしたし、岡田先生のおっしゃるとおり、確かにヴァイオリンでの歌い方はピアノでの表現にも応用できそうな要素がたくさんありました。

 休憩をはさみ、後半はコンサートです。花崎先生と岡田先生がそれぞれ、バッハの舞踏組曲作品を演奏しました。花崎さんはバロック・ヴァイオリンを使用し、《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ》第3番ホ長調BWV1006を演奏。古楽器ならではの渋い音が印象的な素敵な演奏でした。一方岡田先生は《フランス風序曲》ロ短調BWV831を演奏。フレージングや歌い方など、前半のレクチャーを裏付けるかのように美しく旋律を歌わせていたのが印象的でした。

 ピアノ学習者はどうしても、正確に音符を弾くことにとらわれがちで、なかなか表情豊かに演奏するという観点から日頃の練習を行うことが難しいものです。その点、今日のユニークなレクチャーコンサートは、ヴァイオリンのボウイングとタンギングをピアノの演奏に応用するということで、興味深く、面白い発想だと思いました。また、お二方のお話も軽快で分かりやすく、楽しいものでした。次回のレクチャーコンサートは2010年6月に開催予定です。こちらも今から楽しみです。(M.S.)

 

ロビーでは、岡田先生が大勢のお弟子さんに囲まれて、とても和やかな雰囲気でした。

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