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KSCO
深川美奈 ピアノリサイタル開催レポート
2009年10月30日(金) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
10月30日、秋の深まる今日この頃、深川美奈さんのピアノリサイタルをききました。会場内にはたくさんのお客様が席を埋め、みなさん開演を心待ちにしているようでした。ステージには、カワイフルコンサートピアノSK-EXがおかれ、圧倒的な存在感をかもし出しています。深川さんは素敵なブルー系のドレス姿で現れました。まずはシューベルトの歌曲をリストが編曲したものを二つ。ドイツ・リートの歌詞やタンギング、息遣いまでも聞こえてきそうな、明瞭なメロディ・ラインがとても魅力的でした。《セレナード》ではとてもロマンチックな世界観が垣間見えて、とても幸せな気分になりました。
次はリストのバラード2番。低音で渦巻くように鳴る音響はなにか恐怖を思わせるものでしたが、ピアニッシモからフォルティッシモへの移行はとてもダイナミックに表現されていたりして、ピアノの持つパワーの大きさに感動しました。
続いてラフマニノフのプレリュードを4曲。なかでも23−4は筆者も好きな曲で、冒頭のあたたかくやさしい表現は、本当に心地よいものでした。
休憩時間にはドリンクがふるまわれ、ティータイムとなりました。コーヒーや紅茶を頂ながら、みなさんリラックスした時間をお過ごしでした。
後半は、赤のグラデーションが綺麗なドレスに衣装替えして再登場した深川さん。後半のプログラムとして、シューベルト最晩年の作品、ピアノソナタ 変ロ長調 遺作を演奏。死の直前に作曲された作品らしく、精神的・内向的に深い作品です。4つの楽章を通じて、一人の音楽家の一生分が凝縮されたような劇的なストーリーが、深川さんの演奏から感じられました。
アンコール演奏は2曲ありました。お客様から大きな花束が贈られ、とても華やかに終演を迎えました。このコンサートを聴いて、素敵な一晩となりました。(T.)
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