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サウンド・ルート2009-III《日本⇔アルメニア》開催レポート
シンポジウム「アルメニアの音楽」
2009年10月28日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 日本・ロシア音楽家協会主催の「サウンド・ルート」が開催されました。2009年の第3回目に当たる今回のテーマは「アルメニアの音楽」。アルメニアを代表するピアニスト、スヴェトラーナ・ナヴァサルジャンさんを迎えての大変興味深いシンポジウムということで、多くのお客様が会場に集まりました。

 前半はレクチャーです。まずは「日本アルメニア友好協会」代表の中島偉晴さんがアルメニアの生活や文化、歴史などについて説明してくださいました。映像を交えての大変わかりやすいレクチャーでした。続くロシア音楽研究者の森田稔さんによるアルメニアの作曲家についてのお話では、コミタスやマンスリャンといった作曲家を西洋音楽史上の作曲家と照らし合わせながら解説してくださいました。

 後半はナヴァサルジャンさんのコンサートでした。こちらも大変聴きごたえがあり、素晴らしいものでした。前半のレクチャーで説明があったコミタスの「春」、アルチュニヤンの「舞踏音楽 ソスーン」、マンスリャンの「スヴェトラーナに捧げる小曲」、ハチャトリアンの「ワルツ」(《仮面舞踏会より》)などが演奏されました。ハチャトリアン以外の作曲家は、多くの日本人にとってはあまりなじみがないと思います。しかしナヴァサルジャンさんの演奏は、これらの作曲家の魅力を存分に引き出す素晴らしいもので、他のどの国の作曲家とも異なる「アルメニア」ならではの音世界に会場の誰もが熱心に聴き入っていたようです。

 最後にナヴァサルジャンさんは、アンコールとしてハチャトリアンの「剣の舞」などを演奏し、コンサートを締めくくりました。その圧倒的な演奏に、会場からは拍手が鳴りやみませんでした。

 わかりやすいレクチャーと素晴らしい演奏で、アルメニアの音楽がより身近になったように思います。このような充実した内容の企画を今後も続けてほしいと思いました。 (M.S.) 

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