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サウンド・ルート2009-II《日本⇔ロシア》開催レポート
日本・ロシア音楽家協会創立25周年記念
2009年10月19日(月) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:すみだトリフォニーホール小ホール
10月19日、すみだトリフォニーホールにて、サウンド・ルート2009日本⇔ロシアが開催されました。このコンサートは、さまざまな形でロシアとの音楽交流を続けてきた日本・ロシア音楽家協会の創立25周年記念のもので、会員の方々の総力を結集したすばらしいものでした。前半は、作曲部会会員のリコーダー・アンサンブルの作品が5曲演奏されました。演奏は、吉澤実さんが主宰するアンサンブル「La Strada」の6人です。リコーダーというと、ルネサンスやバロックなどの音楽を想像してしまいがちですが、今回は現在第一線で活躍中の日本人作曲家、堀越隆一さん、松岡俊克さん、安田謙一郎さん、高嶋みどりさん、遠藤雅夫さんの作品が並びました。リコーダーのアンサンブルの温かく自然な響きが、会場を満たしました。他の管楽器で用いられる様々な現代奏法の使用など、リコーダーのもつ可能性の広がりを改めて感じることができる素晴らしい作品群を、レベルの高いアンサンブルで堪能できたのではないでしょうか。
小原伸一
小濱妙美
岸本力 後半は、声楽部会の会員によるロシア歌曲のステージです。小原伸一さんは、朗々と響きわたる深く美しい歌声で、リムスキー=コルサコフの2つのアリオーソをドラマティックに熱演されました。続く小濱妙美さんは、4曲を披露。とりわけショスタコーヴィチ「ムツェンスク群のマクベス夫人」からのアリオーソは、まさにオペラの一場面を観ているような素晴らしいものでした。最後の演奏は、岸本力さん。2曲、ロシア歌曲をスケールの大きく豊かな表現力で演奏されたあと、おなじみの「悲しき天使」と「黒い瞳」を時には色っぽく、ほとばしる感情を力強く歌い上げていました。あまり聴かれることの多くはないロシア歌曲ですが、様々な面を楽しむことのできるステージでした。
今後も、このような多彩な企画で、日本とロシアの音楽を楽しませてくださることを期待いたします。(M.)
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