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開催レポート

KSCO
市川真一郎・高橋ドレミ ジョイントリサイタル開催レポート
東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.7
2009年
10月7日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 すっかり涼しくなり、秋の香りの漂う10月7日、東京音楽大学 表参道サロンコンサートを聴きました。本日の演奏者は東京音楽大学に在学中の高橋ドレミさんと、大学院に在学中の市川真一郎さんで、前半と後半にそれぞれのソロがプログラムされています。

 前半は高橋ドレミさんで、情熱的な赤いドレスで華やかに登場されました。曲目は、ショパンのスケルツォ4曲で、第1番から第4番まで番号順での演奏です。まずは第1番の衝撃的な和音で聞き手の心をがっちりとつかみました。その後の急速なパッセージは、「熱情的に極めて速く Presto con fuoco」の指示のとおり、情熱的に駆け抜けてゆきます。曲調が一転する中間部では、心温まる旋律をのびやかに情感をこめて表現されていました。第3番の中間部もとても美しく、和音のカデンツに続いての、高音から流れ星のようにキラキラと流れるパッセージは、幻想的に輝いていました。魅力的な光を湛える高橋さんの演奏は、ショパンの魅力を存分に引き出していました。

 後半は、赤いネクタイのスーツ姿で登場した市川真一郎さんです。市川さんの演奏は、時代・国籍の異なる3人の作曲家の作品をそれぞれ適確に、独創的に表現するものでした。まずは、古典派ハイドンのクラヴィーア・ソナタです。和音進行や旋律など、音楽のつくりは表面的にはシンプルですが、交響曲の父・ハイドンらしくどの音にも、オーケストラによる様々な音色がきこえてきます。市川さんの演奏は、そうした性質を最大限に引き出して、ピアノ一台で演奏しているとは思えない深みのあるものでした。

 次のバーバーの《ピクニック》はジャズ風の曲です。まるで即興で弾いているのかと思われるほど生き生きとして快活な演奏で、楽しんで聴くことができました。

 最後は、ショパンのソナタ第2番です。曲の始まりはドキッとするほど情熱的に表現。印象的だったのは第2楽章で、半音階の走句が激しい部分と中間のやさしい部分の変化が効果的で聴いていて心地よいものでした。

 アンコールは、お二人による連弾で《亡き王女のためのパヴァーヌ》。これからのお二人のご活躍を楽しみにしています。(T.)

  沢山のご友人に囲まれて。

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